昔 世界を大津波が襲った
少年は 画面の向こうに
黒く渦巻く塊が
街を 人を 飲み込むのを見た
見えているのに 手を伸ばすことはできない
ただ握り締めるだけ
それから 幾度も大地震は起きた
青年は 画面の向こうに
黒く渦巻く哀しみが
日々を 暮らしを 飲み込むのを見た
見えているところから 手を伸ばし続けた
まずは足元からだと 言い聞かせ
僕らの棲む街に
残された時間が どれだけか分からない
「来る」と言われて半世紀
大切なもの どうしたら守れる?
哀しみの 黒のスーツを着て
男たちは 画面の向こうで
黒く渦巻く怪物を
来る日も 来る日も 倒し続けた
慰めなどなくとも 手は差し伸べ続ける
いつか世界から 不要と言われる日まで
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