目覚めたあなたよ幸福たれ
投稿日:2015/12/28 22:43:35 | 文字数:589文字 | 閲覧数:4,627 | カテゴリ:歌詞
目覚めたあなたよ幸福たれの歌詞
褐色(かちいろ)、瞳の奥に目まぐるしく映るは褪せた世界
喉を嗄らし凋む花、今日もまた一つ泪を注ぐ
文字盤の汚点(しみ)は増えて、花の葛(かずら)で編んだ冠は腐り
誕生日を祝う意味すら分からずに過ごしてたんだ
襤褸屑で包む綺麗な嘘
形象(かたち)をなくした不在の都市
余さずに過去は寓話となり
移り香だけを残しては去るけれど
違う歩幅でもいつか僕らはまわる針のように再び会えるから
目も眩むような虚飾で染め上げた砂礫の柩の中あなたは眠るの
やがて訪(おとな)う寂寞の夢のなか、それでも笑い合えたらどんなにどんなに幸福か
よけた薄荷の飴のよう、区々(まちまち)の悲しみが底に残る
痩せた蝋燭の炎を今日もまた一つ泪で消す
俯き彷徨う亡霊、左見(とみ)に右見(こうみ)に忙しく時を追う
なんて寂しい世界だ空の色さえわからぬまま
誰が為に歌った愛の歌?
過ぎにし日々か、今日か、明日の日か
芽吹かずに錆びついた君の声
心の奥底燻っている
無為に過ごした時間さえもまた大切だったと愛しく思えるから
鈍く輝いた硝子に鎖された沈む廃墟の中であなたは歌うの
七重に八重に幾重に織り込んだこの言葉よ全部全部届いてはくれますか
遠回りの果てに辿り着いた世界 切り傷だらけの身であなたは眠るの
壊れた時計の鐘が鳴る頃にまた会えたねなんて笑えればどんなに幸福か
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八釜しの国
二六時中、取り巻く喧噪が、頬を撫でるそよぎのなか隨に舞った
可成り懶さに歌う聖歌隊、頓痴気な列をなし歩く言葉
錻力を戛々打つ通り雨が錆びた風の余波のなか矢庭に降った
雨に濡れるのも厭わず歩く、願を懸けるように傘を閉じて
八釜しの国
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螺子式夢遊船
夕立呷り朱(あけ)染まる市街がぐでんぐでんと夜を吐いて
鬼灯みたいな飛行船団が寝入りばな君を誘った
左手(ゆんで)すり抜けたペーパーバックは溺れたように宙を舞って
夢と現実を綯い交ぜにしては歪な地平の夢路を行くけど
起きれば昨日の延長がただただ続いていくだけで
螺子式夢遊船
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文学 in the 少女
寄る辺のない孤独な旋律はたおやかに谺(こだま)する夜の声と消え
幸福はアイスのように溶け落ちて
少女は淡い本の上で踊る
呵々(かか)と笑う鈍色の月
不束かな夢を一齣(ひとくさり)の言葉で結べ、
文学 in the 少女
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こんな夢を見た。
淡い淡い海鳴りの底、群立つイルカの呼気さながらに
溶けた瑠璃色の泪、視界が滲む
爛漫敷き詰めた青と青、世界は止め処もなく美しく
頓に永久に満ち満ちて居場所をなくした
こんな夢を見た。
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それはあまりに人間的な
素気(すげ)ない風が粛々と葉末(はずえ)にすがる雨露(あめつゆ)をさらう
街の明かりが彳(たたず)んだ夜の暗がりを静かに摘んでゆく
薄暮に霞む後影 行人(こうじん)織りなす街路の淡彩
古い市門に消えてゆくあなたの背(そびら)を目で追った
踊るに似たるその歩み隆(りゅう)ときまって甚だ可憐で
それはあまりに人間的な
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ボトルシップクロニクル
ボトルシップクロニクル
暮れ行き泥(なず)む斜陽と影
茹だる海の火照り尾を引いて
我儘、気儘、波を辷る
酔いどれ帆船の舵をとれ
ボトルシップクロニクル
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廻るデカダンス通り
眠たげな小路、赤い窓、街灯の明り、盲目の娼婦
廃屋で猫がニャーと鳴く、乱痴気騒ぎとはびこる悪習
虫喰いの聖書、ガラス玉、ムクドリの子ども、淀む六ペンス
全てを売って手に入れた 拳銃忍ばしこの街を歩く
あなたはいつも我が儘ね、熱病患者のように震えて
廻るデカダンス通り
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空中楼閣
さあさ、おいでませ空中楼閣、何人も十把一絡げ
下界の憂いを一時忘れて、他人、懇ろ、吹き溜まり
空の盃にゃ追い酒をさあ空の頭にゃ愛嬌を
へべれけ、不作法、のんべんだらりん、酒色漂う花街の風
どうせ死ぬ身の一踊り
空中楼閣
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言葉とエポケー
あやふやで不確かな言葉が澱のように積み重なっては
淀み、惑い、形をなくして喉の奥に溶けていく
あなたを語るに足る言葉は生憎、持ち合わせてなくて
戯けて口噤み笑っては、路傍の塵芥一つ蹴った
曖昧が募って
言葉とエポケー
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そぞろサンクスギビング
うらぶれ旧市街 靴の音
夜天銀天の夜もすがら
調子の外れた樂音で沸く
虚しく豪奢なパレードだ
鋳型にはまった瑪瑙の星
そぞろサンクスギビング
オリジナル曲作ってます。
ブログ
http://ameblo.jp/a-march-hare