褐色(かちいろ)、瞳の奥に目まぐるしく映るは褪せた世界
喉を嗄らし凋む花、今日もまた一つ泪を注ぐ
文字盤の汚点(しみ)は増えて、花の葛(かずら)で編んだ冠は腐り
誕生日を祝う意味すら分からずに過ごしてたんだ
襤褸屑で包む綺麗な嘘
形象(かたち)をなくした不在の都市
余さずに過去は寓話となり
移り香だけを残しては去るけれど
違う歩幅でもいつか僕らはまわる針のように再び会えるから
目も眩むような虚飾で染め上げた砂礫の柩の中あなたは眠るの
やがて訪(おとな)う寂寞の夢のなか、それでも笑い合えたらどんなにどんなに幸福か
よけた薄荷の飴のよう、区々(まちまち)の悲しみが底に残る
痩せた蝋燭の炎を今日もまた一つ泪で消す
俯き彷徨う亡霊、左見(とみ)に右見(こうみ)に忙しく時を追う
なんて寂しい世界だ空の色さえわからぬまま
誰が為に歌った愛の歌?
過ぎにし日々か、今日か、明日の日か
芽吹かずに錆びついた君の声
心の奥底燻っている
無為に過ごした時間さえもまた大切だったと愛しく思えるから
鈍く輝いた硝子に鎖された沈む廃墟の中であなたは歌うの
七重に八重に幾重に織り込んだこの言葉よ全部全部届いてはくれますか
遠回りの果てに辿り着いた世界 切り傷だらけの身であなたは眠るの
壊れた時計の鐘が鳴る頃にまた会えたねなんて笑えればどんなに幸福か
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HaTa
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