夕立呷り朱(あけ)染まる市街がぐでんぐでんと夜を吐いて
鬼灯みたいな飛行船団が寝入りばな君を誘った
左手(ゆんで)すり抜けたペーパーバックは溺れたように宙を舞って
夢と現実を綯い交ぜにしては歪な地平の夢路を行くけど
起きれば昨日の延長がただただ続いていくだけで
過ぎたる景色の群像を追って、走って、手繰って
夕(ゆうべ)のいのり空しく溶けてさんざめく終(つい)の唄
なんで、もっとほらグズってよ、悲しい笑顔は見たくないな
そそくさ船長は日がな一日、螺子を回して煙を吐いて
がたぴし軋む歯車のテンポで舶来の唄を口遊む
地上の壊れた電波は何時でも、のべつ幕なし愛を説いて
全てを分かったふりした僕らは一年(ひととせ) 、二年(ふたとせ)、大人になるけど
気づけば今宵の残像が暁の日に白み消えて
強がった顔で追いかけた、待って
暗転、巡り巡って、着の身着のまま空(うつろ)の旅
なんで、もっとほら嘆いてよ、そんな笑顔は見たくないな
大切なことは全て今は忘れてもいいからさ
ここであったことだけはせめて覚えといてほしいな
尖塔の骸骨が行列
ぞんざいに警笛笑った
衛星が墜ちてった夜更け
毎夜、毎夜、願った
夕(ゆうべ)のいのり空しく溶けてさんざめく終(つい)の唄
なんで、もっとほらグズってよ、悲しい笑顔は見たくないな
習ったことなど全て今は思い出せないけれど
ここであったことだけはせめて覚えといていたいな
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HaTa
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