A.
帰り道黄昏に溶けだした
染まる頬溜息も気づかない

B.
「今日は笑えたのかな」
「明日はどこへ行こうか」
途切れない言葉浮かべ
寂しくて笑った

S.
やるせない熱を預け
つなぐ手を強く握る
どこまでも伸びる影が
ゆらりゆらり揺れる

B.
僕はとまどうだけで
君もうなずくだけで
吹き抜ける風のベンチ
腰かけて黙った

S.
叶わない想いだって
その理由(わけ)に背中向ける
幼さに抗う術
何も知らないまま

B.
どれが正しいだとか
どれが間違いだとか
本当はどうでもいい
どうだっていいのに

S.
やるせない熱を預け
つなぐ手を強く握る

S.
青かったはずの空の
隅っこで息を紡ぐ
怖がりなふたりだから
夜を待つことしか
できず見つめるだけ