東の海少女一人
潮風(うしおかぜ) 絶望の崖佇んだ

垂れ落つる一雫
赤い花咲かせる
震える小さな波動
水面を乱す

“血契りの巫女 (イェーリア) 身を捧げ給え
地平を明るく塗り替えよ“
この積み重ねし罪の軌跡
疲れたら息を止めよ

静寂を破り新たな世界に
祝福の鐘を鳴らせたまえ,
その手と手触れた刹那の笑顔
忘れられたなら

空虚な瞳虚ろな笑み
迫るとき嘆き出す選択を

垂れ落つる一雫
頬を熱く伝わる
震える小さな鼓動
心を乱す

“破滅の巫女詩捧げ給え
約束されし舟を喚ぶよ“
この失敗作がユートピアに
成れぬならやり直せよ

神に遣われし選ばれしもの
観測者が決める結末は
その愛の鎖断ち切れるなら
詠唱を始めよう

次の世界へと

呑み込まれてく水竜巻
呑み込まれてくすべて

“我が巫女貴女が望んだ
終焉の時を見届けよう“
この大地に棲む無数の息が
絶えるまで目を閉じなよ

最後のイェーリア役目を果たした
竜神に抱かれて眠りにつく
この見捨てられし水没した地に
芽吹くその日まで

君に出会うまで