結局始業のチャイム2分前に写し終えた詩。
彩羽はやはり呆れの表情だが内心ホッとしている。
彩羽「(だって日付的に今日当てられるのは詩だもの。)」
彩羽はそれを見越して詩にノートを見せたのだ。
詩「ホントに助かった!ありがとね彩羽!!」
教室内だというのに人目を気にせず詩は再び彩羽に抱きつく。
彩羽は狼狽えるが教室内に居るクラスメイト達は微笑ましそうに見つめる。
「相変わらず仲良しだね」
「二人って小学生からの仲でしょ?」
「そこまで仲良しだと羨ましいわー」
等々、男女問わず色々な声が聞こえてくる。
詩「ふふん♪でしょでしょ?私と彩羽は
ずーっと仲良し!親友なの!」
彩羽「(親友ね…。まあ私が親友なんて思ってるのは詩だけだけど。)」
彩羽がこう思うのには理由がある。
小学生時代に彩羽はいじめを受けていた。
暴力まではいかなかったが、悪口が書かれたメモ紙だったり、掃除当番や給食当番時に使う自分の名前が書かれた札が無くなったり等、まあ陰湿というか、古典的なものだった。
しかし彩羽はいつも通り、落ち込む様子もなく過ごしていた。いや、本当は物凄く落ち込んでいるがそれを表に出していないだけだった。
そのおかげかいじめは短期間でピタリと終わったが彩羽の心には相当な傷が出来てしまった。
それから彩羽は疑心暗鬼になり、なかなか人を信じられずにいるのだ。
もちろんいじめられていた事は詩は知っている。
詩「彩羽。もう大丈夫だよ!一緒に行こ?」
いじめの後、我慢して、溜まりに溜まっていたモノが爆発して学校に行きたがらない彩羽を必死に説得したのが詩だった。
教師「ほらほら席つけ!HR始めるぞ!」
チャイムが鳴り担任も来た。
詩は彩羽から離れ、「じゃあまた後でね!」と自分の席へ向かった。
彩羽「(また後でって…HR終わってからも私のところに来るつもり?少しは他の子とも関わればいいのに…)」
「ここまで来ると最早恐怖ね…」ボソリと呟き担任の話を右から左へ聞き流しながら、持ってきていたワイヤレスイヤホンを耳につけて音楽を流し始めた。
彩羽「(また今日も1日が始まる…)」
見上げた空は雲ひとつない快晴だった。
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