そう。最初はあいつの一言だったんだ。


「お前も鏡音っていうの?」


ハッキリとしたクセのある声。

だけど優しくて、安心できる声―――





「……そうだけど?」
「珍しー。俺も鏡音っての。」

隣の席の初対面の男子。
やけに明るい…チャラそーな奴…。
あ、今日は入学式で今は教室。

「え、あんたも鏡音?」
「そ、鏡音レン。お前は?」
「あたし?あたしはリン。」
「やっべ超似てるw双子みてえww」

サラサラの金髪、深い青色の眼。
それに、声もなんか似てる…。

まるで本当に―――


「双子みたいっ!」

そう言ってあたしは笑った。
ただ、それだけだったんだ。

なのに。


「………………リン」
「え、呼び捨てかwあ、でも苗字は分かんな」


「俺と付き合わね?」
「へえ付き合う…………」

…………………は?

「えと、どっか行くの?」
「どんなベタな解釈だよw」
「え、じゃ、その、さ、」
「男・女・交・際!」

だ ん じ ょ こ う さ い ?



「はああああああああああああああああああああああああ!!!!!?」

つつつつつつきあう!?
で、出会って1分弱で!?

「大声だすなよー、俺低血圧なの」
「こんなときに大声出さずにいられるかアホレン!!」
「え、出会ってすぐでこの態度かよw」
「こっちの台詞だ馬鹿野郎!!」

ああ、なんか頭ぐるぐるする…!!


『…………あの、鏡音?』
「は?」

クラスメイト全員がこっちを向いている。超微妙な空気。
そして先生が遠慮がちに声をかけた。

『つ、続けていいか……?』

「すっ……!!すいませんでしたあああああああ!!」
「え~少しくらい許してくださいよ~」
「ばっか、謝れクソレン!」
「え、んじゃ後で話そうか?」
「どうでもいいから謝れ!!!」

んで、バタバタしてやっと再開。
さっきより先生の声は切なそうだ…すんません。




『―――ということで、これで終わります。』


はー……やっと終わった。なんか異常に肩こりが←
し か し 。

特急で帰る準備をしてあいつから逃げようとした。
が。(はい、ここ大事だよー)

「リーン♪屋上行こう」
「I☆YA☆DA」
「言っとくけど、逃げられないよ?」

いつのまにかガッチリ腕を捕まれてる。
畜生。ぬかった。

「ちょ…ちょっとトイレ行きたいなあ~…?」
「あ、じゃあ俺もついていk」
「氏ね」
「じゃあ行こうか☆」

無駄に明るい笑顔であたしを引きずるレン。
ああ、なにこの悲惨な状況。





「…で。ここに連れてきた理由を三十字以内で答えろ。」
「告白の返j」
「お前いっぺん朽ち果てろ。」

「んじゃ、おkってことで☆」
「何がどうおkなんだよ馬鹿!!」
「え~…いいじゃん。」
「だいたい初対面でおkする人いたら会ってみたいよ」
「もうちょいで出会えるって。自分だけど。」

どっから来んの、その自信。

「まあ座ろうぜーい。」
「………うん。」

このときレンの眼が光った。きらりと。

「なあリン。すっげえ良い話があるんだけど…。」
「……良い話ぃ?」
「そ。これを見なさいっ!」
「なにこれ。というかグチャグチャだなっ!見にくっ!」

どれどれ。

「〈新入生へのお知らせ〉……?
さっき配られたプリントじゃん。これのどこが――」

カシャ、

「~♪よっしゃ☆」

携帯のカメラのシャッター音。と、レンのどや顔。

「何撮った!?見せなさああああい!!」
「ちょ、ちょっと待って!…はい!」

あたしは呆然とした。

「ちょ、おまっ…………!!!」
「ふふーん。ちゃんとパスワードも付けたからな☆」

それは、体育座りしてたあたしのパンチラ画像だった。

「消せえええええ!!今すぐ消せ!!」
「どーしよっかなあ?」
「そ、そ、そんな画像……!!」
「あ、顔真っ赤wかーあいいー(´∀`)ニヤニヤ」
「黙れこの変態野郎―――っ!!!!!」

最悪!!この変態馬鹿っ……!!
数十秒前のあたしも馬鹿野郎!!!!!

「別に掲示板に載せてもいいんだよね~♪」
「ばっ………こんな画像載せたら、あたし笑いモノじゃない!!」
「……消してほしい?」
「あたりまえでしょ!?」

「じゃ、付き合って♪」

「………はい?」
「消してほしかったら付き合って?」
「………………え、」

こいつ……

「悪魔ああああああああああああああ!!!!!」
「なんとでもどうぞ☆」
「付き合うわけないでしょうがああああ!!!」
「へえ。じゃあ、掲示板載せよーっと。」

………へ?

レンがカチカチと携帯を打ち始める。

「どうする?」

すでに掲示板のページを開いている。

どうしよう。どうしよう。どうしよう。



「……………った…よ。」
「へ?」


「分かった!!付き合う!」

「……おk?」
「おk!どんとこい!!」
「そか♪じゃ、」


ちゅ

一瞬で奪われた―――

「これからよろしくっ。」


―― あたしのファーストキス ――


「~~~~~~~~~~~っ!!!!!?」


ああ。


「こンの…………」


あたしの日常はこれから刺激的になっていったんだ。




「アホレン―――――――――!!!!!!!!!」






+ see you soon... +





 

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

オレとアタシ 1

らび「いやー楽しかったー!これからもっとイチャイチャさせr(ry」

リン「この変態チビが!最後くらい引きしめろ!!」

レン「でもいーじゃーん♪もっとキスできるしー(´ノ∀`)」

リン「きっ……!?」

らび「いや、それ以上もいくかもよwww」

レン「マジで!?らびナイス☆」

リン「この変態共があああああああああっ!!!!」


ということで、続きもよろしくですノシ

閲覧数:523

投稿日:2010/07/11 10:59:11

文字数:2,231文字

カテゴリ:小説

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