草を食んでいます
唇をよせて歯をたてず
あなたも食べますか
そう尋ねるひとはだれ

青いばかりの雲ひとつない空は
圧しつぶそうと
ただ頭上にひしめいています

冷たい土にもぐりたい
きっとかたくて爪もたたない大地
芝は鬱蒼と茂っていて
ときどきのぞく墨色に
浸みこんだ水滴の行方を追いました

水を飲んでいます
のどを鳴らして息もせず
あなたはいらないでしょ
瞳をなげたひとはだれ

青いばかりの雲ひとつない空が
圧しつぶそうと
この地球に落ちてきたのです

冷たい草を食べてみたい
きっとひやりと夜露に濡れた緑
雲はてきどに泳いでいて
いよいよ光るあかつきに
浸みこんだ両眼で白と黒を見ました

あのこは冷たい草を食べました