この世界に飽きてしまったの
繰り返し廻るしか脳のないくだらない世界に
おちて　落ちて　堕ちて　墜落

衝突と閃光　開幕と終焉
空想と夢想　疑心と真実
現実と妄想　創造と想像
　　　劇中の愛情

嘘と虚偽で塗り固めた幻想
歌さえ夜に掻き消されて
依存して中毒になって　それを理由に逃げていたのか
それともそれを逃げることの理由を探していたのか
それとも理由は唯一の願いの為だったのか

私は　私は　私は
願いを叶える為に　
『世界を壊す』
矛盾した理由を貼り付けて

世界の終りを見てみたくなった
くだらない世界に終止符を！
牢獄の中のお姫様はもうすぐ死んでしまうわ
ギロチンにかけられて　首が飛んでしまうもの！
お姫様は重い鎖を身に巻いて
死刑台へと足を運ぶの
四肢の自由も奪われて　あぁ哀れね！
その不自由な手足から殺ぎ落とされて
あぁ憐れね！　もがき苦しみ死んでゆくのね！
死の間際の死の恐怖
鼓動を止める寸前に
人々の前で首が飛ぶわ！
あぁかわいそうなお姫様！

『ぐしゃり』

腐った林檎が一つ
牢獄の中に落ちた　牢獄の床に転がった
何日も何日も　水すら口にできなかったお姫様
醜い姿でその腐った林檎に手を伸ばすの
どうせ最後の食事だわ
もうすぐ処刑の時間
よぉく味わって食べればいいわよ

『どろっ』

可哀想に　せっかくの林檎が溶けてしまったわね
あぁ　哀れなお姫様！
精々絶望することね！
絶望に歪んだその顔　とてもそそるわ
そのきれいな瞳から大粒の涙を零して　さぁ　その声で喚きなさいよ

あら残念　もう時間だわ
あなたの首が飛ぶところ　よぉくこの目に焼き付けてあげる

『ぶつり』

あら？　どうしてかしら？
お姫様の首が飛んだら　世界から音が無くなってしまったわ

あぁ　そうね

彼女は私だもの

昔の私

私が望んだ世界の終りは

とっくの昔に訪れていたのだから

腐った林檎がひとつ　また落ちた