― 灰の結婚式 ―
ある日の、東の国にある小さな町での話。
2人の子どもが居ました。長い髪をリボンで結んでいる少女と短髪で少女よりも少し背の高い少年です。
2人はいつも一緒です。一昨日は公園で、昨日は丘の上で、今日は町の大通りで遊んでいます。魚屋さんや八百屋さん、花屋さんや靴屋さんなどの大勢の人々が2人を見ては、あたたかな視線を送ります。
「可愛い彼女のために、この赤いバラはどうだい?」
「君が立派なレディになったあかつきには、とびっきりの靴を見立ててあげよう」
と」、笑いかけていました。
そんな2人は幼い頃から約束をしていました。
「18歳になったら、町の大通りで『けっこんしき』をしよう」
2人は笑って夢見ているのでした。
それから月日は経ち、少女と少年は17歳になりました。
その夏のことです。2人が通っている学校で健康診断がありました。もちろん採血検査もあります。少年の血液結果に医師たちは青ざめ叫びました。
「混血だ!」
街中の大人達が松明を持って少年を探し回りました。“魔物狩り”です。少年の血液にはドラゴンの血が混ざっていたのです。
3日3晩続きました。少年はとうとう見つかってしまい、大通りの広場まで連れて行かれてしまいました。
木の十字架に縛られ、炎が点けられようとしたその時です。バシャと音が響き、大人たちがうめき声を上げたと共に燃え上がったのです。大人たちの体が炎に包まれ、焦げた臭いが広場全体を覆いました。
「ねぇ」
声が聞こえました。いつも聞く、少女の声。
「・・・生きてる?・・・・生、きて、る!」
2人は泣きながら抱き合い、生きていることを喜びました。すると、
パンッ
銃声がしたとたん、少女は少年を抱く力を強めました。弾は2人を貫いたのです。
「例えば、普通の人が混血を飲むとどうなるか知ってる?」
それを聞いた少女は少年の血を笑って飲みました。するとみるみる内に2人の体が燃え上がり灰になりました。
夜が明け、朝が来ました。すると風が吹き、灰は大通りを流れると消えてしまいました。
その日は、ちょうど2人の18歳の誕生日でした。
(終)
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