雨が降っている=梅雨というような時期のある日。
「暇だなー」
「そうだな」
アカイトがテーブルに、ぐったりとして言った言葉に頷くバン。
「梅雨は晴れないから嫌にゃおーん」
「そうだわん。雨は断固反対だわん」
猫代表のミンと犬代表のワンの意見が、思わぬところで一致する。
「そうですか?私は別に雨でもいいんですけど」
ジミはにっこり笑っていった。
「私も雨でもいいよね!なんか、いつもとちがうっていうところがいいよね!」
ナエルの言葉に、
「あー、分かります。雨って、どこか不思議な感じがして嫌いじゃないです」
モコがうんうんと頷く。
「俺も、雨は好きだな」
「なんでにゃおん?」
グルトの言葉に、ミンは睨むようにたずねる。
「だって、なんかいいと思わないか?・・・といっても子猫のミンには分からないか」
「・・・引っ掻いてほしいにゃんかー?」
ミンは凄んで爪で引っ掻く仕草をする。
「ピノちゃんは、雨好きですか?」
グルトとミンのやり取りを眺めながら、マニはピノにたずねる。
「そうですね・・・、はい。好きですよ」
「じゃあ、今度雨デートしましょう?雨の中を散歩するんです」
「いいですよ」
どこか嬉しそうなピノ。
「・・・」
そんなピノの笑顔をダッツは、どこか複雑そうな表情で見つめていた。
「・・・・どうしました?」
ダッツの様子に、ミドリは声をかける。
「ん、別に何でも」
ダッツは元の態度に戻って言った。
「・・・ほんとは、ピノちゃんのこと、好きなんじゃないんですか?」
ミドリは、ぼそっと核心を突く言葉を言う。
「な・・・っ!」
「ちがいますか」
「・・・・別に、ちがわねーけど・・・」
ダッツは顔を赤らめ、下に目を落とす。
「なら、いじめてないで、仲直りしたらどうですか?」
「・・・なんか、一線越えそうで・・・怖いんだよな」
「一線?」
ダッツの口から零れた言葉に、ミドリは聞き返す。
「ふふふ・・・禁じられた、兄と妹の恋愛よね!」
そんなところへ、ナエルが得意そうに言いながらやって来た。
「ナエルさん・・・禁じられた、兄と妹の恋愛???」
ミドリは、目を丸くして口元に笑みを浮かべるナエルを見る。
「あー、そうだよ。だから、俺は少し距離置いてんだよ」
めんどくさそうに、ダッツは言う。
「でも、そんな壁なんて、2人は越えちゃうのよね!」
「ええっ!?」
「・・・! んな訳ないだろ・・・っ!!」
ナエルの爆弾発言に、ミドリは驚き、ダッツは頬を赤らめ否定する。



そんな時。



「うー、新しい人連れて来た!うー!」
ウサがそう言いながら、ドアを開けて入ってくる。
「新しい人って、誰だ?」
退屈で死にそうだったアカイトは、すかさずウサにたずねる。
「うーんとねー、ラクにぃとー、リアにゃーんとー、あーとーはー・・・」
ウサは可愛らしく言って、
「ミナにゃーと、にゃーさん!」
「ミナにゃーと、」
「にゃーさん、ですか?」
ウサの言葉に、フワとムウは首を傾げる。
「ま、まさか、また猫音一族じゃないだろうな・・・!?」
アカイトの言葉に、
「猫音一族は、私、ミヤとタマちゃんとミンちゃんにゃん!他にも、ええと、いるけど、現在連絡つかないにゃん」
困ったように、てへへと苦笑いする猫音一族代表のミヤ。
「2人だけでも、また会えて良かったにゃんよ」
ミンは、フォローするように言った。
「それで・・・」
また話が脱線しているのを、バンが修正するように言った。
「この2人が、新しい人か?ウサ」
「うん!ちょうど、私とラクにぃとリアにゃーんと、ここ目指して歩いていたら、いきなり私抱き上げられちゃって・・・うー」
「俺のウサに何をする!って思って、振り返ったら、この2人がいてな」
「それで、私たちと一緒に行くことになったの」
出会った経緯を、ウサ、ラク、リアの順番で話す。
「だって、可愛かったんだもん・・・このウサちゃん」
「うーうー!別に、今はいいよ、うー!」
言い訳じみたように女の子は言うが、ウサは気にしてないように振舞う。反対に、
「いいか?今度、ウサを抱き上げてみろ、そしたら「可愛い女の子に何言ってんの」
ラクの言葉の途中で、リアが遮る。ついでに、ラクを部屋の隅に追いやる。
「もー、リアにゃーん。ラクにぃにお仕置きしちゃだーめー!!」
ウサは少し不満そうにリアを見る。
「そうなの?」
「うん! ラクにぃはねー、私にお仕置きされたいんだよー!ねー、ラクにぃー」
「お、おう・・・俺の大好きなウサだったら、少しぐらいきつくったって、ぜ、全然大丈夫・・・」
リアに受けたダメージが大きかったのか、ラクの声に元気がない。
「ほんとにー?」
対するウサは、とっても嬉しそう。
「そんなこと、しちゃだめよー?ウサちゃんも可愛いんだから」
そんなウサに、リアはやんわりと言い聞かせる。
「うー、でも「だめよ?可愛い女の子は、そんなことしないものよ?」
「うーーー、・・・・・・分かった、リアにゃーん」
ウサは、しぶしぶ頷いたのだった。





            一応、続く!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【亜種コラボ小説】 雨=梅雨といつもの顔ぶれと新しい人の片鱗だけで続きは後編で! 【前編】

雨は基本嫌いですけど、考え事するには最適なのでやっぱり好きなもごもご犬ですこんにちは!
早く梅雨(?)明けないかなー、夏が待ち遠しいですほんとに。

さて今回は、前編です!なので、新たな2人の片鱗しか出てきてません;;
多分後編にちゃんと名前とか色んなことが明らかになると思うので、マスターさんには、気長に待ってて下さいね><

次回も、お楽しみに!

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投稿日:2010/06/28 15:28:10

文字数:2,103文字

カテゴリ:小説

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