昨日まで降っていた雨もあがって
校庭には真新しい白いラインが敷かれ
教室の椅子をみんなで外へ運び出して
万国旗のはためくグラウンドに並べた
ラジオ体操の後 鳴り響く銃声で
待ちに待った運動会の幕は上がった
前の日まで練習した応援合戦
太鼓と笛に合わせ応援旗が揺れる
1年生たちの玉入れや大玉転がし
かけっこ転んだ後 泣きじゃくる男の子
だけど校庭全員の「がんばれ」の声に
涙をぬぐいながらゴールテープを切る
不意に目の前を 駆けぬけるたくましい
6年生の先輩たちは誇らしげに見える
彼らも卒業して制服を 着たら新入生となり
不安と期待かみしめながら大人になってゆく

二人三脚 借り物競走 綱引きと
運動会のプログラムは前半を終え
埋まったタイヤのベンチで跳ねる男子と
体育館の陰でお弁当を食べる女子
新しい靴を買ってくれたお母さんと
仕事を休んで来てくれたお父さんが
私の席まで訪ねて くれたのは嬉しいけど
友達の前では気恥ずかしいのは何故
一番盛り上がるのは学級対抗リレー
誰もが声を枯らしてクラスを応援する
アンカーに渡す バトンを落とした瞬間は
誰もが落胆し怒り気まずく思うだろう
やがて誰も彼も 制服を脱ぎ捨て
そんな悲しみも怒りも全て忘れていってしまう
バトンを落とした出来事は今も忘れない
あの日そこから立ち上がって今の私がある

白が勝ったのか赤が勝ったのかもうすでに
私の記憶の中には残っていない
1位でゴールした友達も ビリだった子も
みんなみんな無邪気に笑ったあの日
恋の痛みや生きる 苦しみに傷つき怯える
人生という名の運動会に きっと閉会式はない
そして今 新しいスタート ラインにつく私
幼い手を引いて学び舎の門を 母としてくぐる  

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

うんどうかいのおもいで

ボカロのオリジナル曲の歌詞です。
たまたま見かけた小学校の運動会を見て、閃いた内容を歌詞にしたら、いつの間にか長々とした内容になってしまいました(笑)
どこまで共感を得られるかわかりませんが、個人的には思い当たる事が多いエピソードや考えを盛り込んだつもりです。

閲覧数:178

投稿日:2016/09/22 10:22:04

文字数:732文字

カテゴリ:歌詞

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