”ああ、のどが渇いたなあ”

砂漠をさまよい続けて
もうどれくらいたっただろう
たった一秒がずいぶん長い
オアシスにいた3日前が
まるで遠い昔のようだ

針が狂えばすべてが狂う
忘れたかった嫌なこと
ぐるぐるまわって景色に溶ける

あれれ　おかしいな
こんなに歩いているというのに
まだまだ夜にならないよ
どこかへ着くのはもう諦めた
ついえる希望は蜃気楼

とうとう我慢しきれずに
水筒の水をひとくち
これもいつまでもつだろうか

も一度　人間に会いたいなあ
誰かの笑顔に会いたいなあ


”ああ、星が綺麗だ”

砂漠をさまよい続けて
やっと日が落ち　寒い夜
一秒の長さ　思い出せない
おてんとさまの刺す暑さが
あったのはどれくらい前のこと？

針が狂えばすべてが狂う
忘れたかったあたたかさが
ぐるぐるまわって景色にとける

あれれ　おかしいな
こんなに目をつむっているのにな
まだまだ眠れそうにない
いい夢見るのはもう諦めた
ついえる希望は目覚めのとき

とうとう我慢しきれずに
ぽろりこぼれる涙ひとつ
ああ　水分が無駄になるよ

頬を伝う水滴がひとつ
恵みの雨　ああ　僕を癒す


あれれ　おかしいなあ
誰かの声がきこえる気がする
またまた　これも夢だろうか
再びきこえた誰かの声が
めばえた希望は生きる勇気

あれれ　おかしいなあ
どうして僕また泣いてるんだろ？
ぜんぜん　悲しくもないのに
優しい笑顔にこころ震える
恵みの雨　ああ　僕を癒す
恵みの雨　ああ　僕を癒す