空を見ているのは、シニガミと言われる化け物だった。
それは女性のような風体でもあったが、でも結局は化け物として扱われるのに性別なんて関係なかった。
そんな昔のような、今のような、けれど現実離れのようで、空想のような話がある。
*
シニガミは小さくつぶやいた。
「今日もまた、誰にも助けてくれない」
さあさあ、彼女を助けてくれるのはいったい誰なんだろうか?
それはカミサマにでも、助けられない、助けてくれない。
誰も信じられなくて、誰も信じようとはしなくて。
「どうせ、人なんて死んじゃうなら」
シニガミはそんなことをも思ってしまうのだった。
*
そんな彼女は現実離れした森の奥に家を持つ。小さな、こじんまりとしたもの。だけど実際には廃墟に近いものでもある。
「……誰かいませんかぁ……」
不意に声が聞こえて、シニガミはその方へ近づく。
そこに居たのは、若い男だった。どうやら怪我をしているらしい。
彼女はそれを見てぽつり。
――恋に落ちた。
と言った。
*
そして、二人は愛し合い、子供まで出来た。
始まった日々をかみしめようにも、相手はシニガミ。変わりのしない風体。
そして彼は人間。限りのある生命。
解りきったことでもあった。
「ならば、終わらない世界を作ろう」
彼の言葉を胸にもち、シニガミは小さく頷いた。
だから、
彼女は、ドアの前で待っている。
流れる雲を見つめて、クッキーとハーブティーを二人分用意して、いつも彼が来れるように。
だけども、そんなのは叶わなくて。
空は、どこか寂しそうだった。
来るはずもない。
そんなことは彼女にだって、わかっていたはずなのに。
ならば。
こんな世界にいる必要はない。
シニガミは、世界の外へ出て、森に家を構えた。
子供はまだ小さいのに、彼女の決心は強かった。
けれど――
彼女はまだ、彼のことを忘れることは出来ない。
*
シニガミ。
それは、人間の世界では別の名前で呼ばれている。
通称――“メデューサ”。
カゲロウプロジェクト 16話【二次創作】
「目を掛ける話」。一部ネタバレがあるのでご注意ください。
次はいよいよエネ編です!!
―この小説について―
この小説は以下の曲を原作としています。
カゲロウプロジェクト……http://www.nicovideo.jp/mylist/30497131
原作:じん(自然の敵P)様
『人造エネミー』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm13628080
『メカクシコード』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm14595248
『カゲロウデイズ』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm15751190
『ヘッドフォンアクター』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16429826
『想像フォレスト』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16846374
『コノハの世界事情』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm17397763
『エネの電脳紀行』
『透明アンサー』
『如月アテンション』http://www.nicovideo.jp/watch/sm17930619
ほか
――
コメント1
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雪りんご*イン率低下
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ついにメカクシティデイズとカゲロウデイズ、発売ですね!
でも買いにいけないという(´・ω・`)
シニガミさんはきっとアノ人ですね……!
凄いwktkです。あー欲しい……
2012/05/30 22:44:06