短編小説『水族館のダンス』
作:晴る
「今日も1日終わった。疲れた。」
くしゃくしゃの髪の毛に、よれたメイク、むくんだ足。夜になっても明るく輝く都会の真ん中で私は、項垂れていた。
「最近、仕事以外何してたっけ?」
家と職場の往復。変わり映えのしない日常。
多すぎるタスクに追われる毎日。
趣味のグルメ巡りは最近できていない。
心底私は疲れているようだ。それでも私の心は未来のタスクに押しつぶされそうになる。
「今日も早く家に帰らないと。明日も朝から大事な会議の資料を作って、その後、案件Aの見積もりを作って、、、あ、明日中に今度実施する飲み会の会場を選定して予約しないと。。」
灰色の人生に嫌気がさす。
日曜日。
この日は、昨日の大雨から打って変わって晴れ渡った空だった。
私は、とある場所に来た。
水族館だ。何年ぶりだろ。
とある日の休みの日、テレビで水族館特集やってて、行きたくなっちゃったんだよね!
夏だし!涼をもとめて!なんちって!(咳払い)
さて、事前にチケットは、買ってあるし、このまま入るかな。ワクワクと胸躍らせ、私は水族館に潜った。
水族館のゲートを潜るとそこには青い世界が広がっていた。「涼しい。生き返る〜!」
どこから見ようかな。やっぱり動線が敷かれているし、動線通りいきますかね!
私は、歩みを進めた。
最初に出迎えてくれたのは、
サンゴ礁と色とりどりの魚達。
クマノミとナンヨウハギ、、、どことなく見たことあるな笑 ここの水族館では沖縄県とサンゴプロジェクトをしてるのか。サンゴ礁の減少を防ぐべき活動をしているみたい。私が知らないところでサンゴ礁が危険にさらされていて、守ろうと動く人がいる。すごく。かっこいい。
私も修学旅行で沖縄県に行った。
エメラルドグリーンの海が広がっていて綺麗だったというのを覚えてる。また行きたいな。
海風の香りを感じながら、お次は大水槽へ。
おおー!大迫力!!イワシの大群衆。優雅に泳ぐエイ。え!?あれは、ウツボ!?体をくねらせ泳いでる!岩の隙間とかツボに入ってるイメージしかなったな笑
私の背を優に超える大水槽。煌々と降り注ぐ群青色の光を浴びながら眺めていた。
私の影はゆらゆらと揺れいつの間にか水族館に溶け込んでいた。
おっと、ショーが始まる時間だ!
私は、足早にとある場所に向かった。
「わあああああ!広ーい!」
私は、イルカショースタジアムにやってきた。
真ん中には大きなプール。周りを囲む観客席。
私は真ん中後ろ側の全体が見渡せる席に座り、イルカショーが始まるまでワクワクしながら待った。何かが楽しみで待ちきれないこの感覚久しぶり。周りに邪魔ならない程度に足をパタパタしながら、はやる気持ちを抑えた。楽しみ!!
イルカショーが始まった。
鮮やかに泳ぎ回り、まっすぐに飛ぶイルカ達。
水飛沫をドレスのように纏ってる。
え!?あんな高いところにあるボールを蹴り上げるなんてすごい馬力!!!
すごすぎ!!
大人も子供もショーの主役に釘付け。
キラキラ光るイルカ達に私は、胸を打たれた。
胸がときめき今も心臓がバクバクしてる。
イルカのショーに圧倒した私は、クラゲエリアに移動する。
クラゲエリアに到着!
わあああ、色とりどりのクラゲ達がお出迎え!
お、このクラゲよく見る!
白い四葉のクローバー模様のミズクラゲ。
わ!このクラゲ可愛い!ぴょこぴょこ泳ぐ、キャノンボールジェリー。
わあ、私一番このクラゲ好きかも。
雲みたいにふわふわで純白なドレスを着てダンスしてる。
クリサオラ・プロカミア!!
素敵〜!
それぞれのクラゲを写真に収めてお持ち帰り!
家に帰ってまた見よっと!
そして!!
アシカの赤ちゃんが生まれたらしい。
きゃわいいー!!
お母さんアシカの横にいるとよりわかる小ささ。足をパタパタさせて、泳いでる!
これから元気にすくすく育ってね!
私は、水族館に潜り、さまざまな生き物たちと
出会った。青の世界に溶け込んだ迷える子羊として。
水族館から出ると、空は一段と眩しかった。
視野が広がった。
キラキラ光る太陽に目が眩んだが、眩んだことがなんか嬉しかった。まだまだ、私はやりたいことがたくさんある。叶えたいことがたくさんある。実現したい未来が見つかった。
さ、とりあえず、美味しい夕食でも食べに行くかな。ずっと気になってたイタリアンの店があったの。季節の野菜がたっぷりのったピザが絶品らしい!いつも頑張ってる私にご褒美に!
レッツゴー!!!
私は、未来への歩みを進める。
新しい自分に合うために。
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