夏の日差しに焼かれた道は
白く輝き、陽炎を生む
熱を孕んで渦巻く風は
空を焦がして雨を導く
夏の日差しに萎れた花は
白く輝き、眩暈を呼んだ
暗む瞼に太陽踊る
掠れた声は雨音に散る
雲が隠す虹の果ては
星が眠る砂漠の中
水溜りが映す色を
探す姿 祈りに似て
指先を伝う 蜘蛛の糸
埃に塗れた 写真立て
水面に沈めた 貝殻に
閉じ込めた言葉 嘲笑う影
夏の記憶は時間に流され
雑踏の中、彷徨い消えた
月に焦がれた一夜の蛍
雨に紛れて空を見上げた
眠る羊 静寂に揺れ
啼いた森が窓を叩く
魔女が記す聖書の終焉
招く声は 願いに似て
また今日も独り 立ち尽くす
雑音が呑みこむ カレンダー
ペットボトルから 溢れ出た
何処かの誰かに 捧ぐ愛
跪いた夜明けの鶏
蟻の群れが目指した先
染まる景色
それは、それは―――それは、まるで祈りに似て
嘗て誰かに
語った話
部屋の片隅
色あせた夢
指先を伝う 蜘蛛の糸
埃に塗れた 写真立て
水面に沈めた 貝殻に
閉じ込めた言葉 嘲笑う影
また今日も独り 立ち尽くす
雑音が呑みこむ カレンダー
ペットボトルから 溢れ出た
何処かの誰かに 捧ぐ愛
もしかしたらあの夏の日に
日差しが燃やした記憶だろうか
―――――*―――――*―――――*―――――*―――――*―――――
<1A>
なつのひざしに やかれたみちは /7+7
しろくかがやき かげろうをうむ /7+7
ねつをはらんで うずまくかぜは /7+7
そらをこがして あめをみちびく /7+7
<1A’>
なつのひざしに しおれたはなは /7+7
しろくかがやき めまいをよんだ /7+7
くらむまぶたに たいようおどる /7+7
かすれたこえは あまおとにちる /7+7
<1B>
くもがかくす にじのはては /6+6
ほしがねむる さばくのなか /6+6
みずたまりが うつすいろを /6+6
さがすすがた いのりににて /6+6
<1S>
ゆびさきをつたう くものいと /8+5
ほこりにまみれた しゃしんたて /8+5
みなもにしずめた かいがらに /8+5
とじこめたことば わらうかげ /8+5
<2A>
なつのきおくは ときにながされ /7+7
ざっとうのなか さまよいきえた /7+7
つきにこがれた ひとよのほたる /7+7
あめにまぎれて そらをみあげた /7+7
<2B>
ねむるひつじ しじまにゆれ /6+6
ないたもりが まどをたたく /6+6
まじょがしるす ほんのおわり /6+6
まねくこえは ねがいににて /6+6
<2S>
またきょうもひとり たちつくす /8+5
のいずがのみこむ かれんだー /8+5
ぺっとぼとるから あふれでた /8+5
どこかのだれかに ささぐあい /8+5
<3B>
ひざまずいた よあけのとり /6+6
ありのむれが めざしたさき /6+6
そまるけしき それはそれは /6+6
それはまるで いのりににて /6+6
<C>
かつてだれかが /7
かたったはなし /7
へやのかたすみ /7
いろあせたゆめ /7
<3S>
ゆびさきをつたう くものいと /8+5
ほこりにまみれた しゃしんたて /8+5
みなもにしずめた かいがらに /8+5
とじこめたことば わらうかげ /8+5
<3S’>
またきょうもひとり たちつくす /8+5
のいずがのみこむ かれんだー /8+5
ぺっとぼとるから あふれでた /8+5
どこかのだれかに ささぐあい /8+5
もしかしたらあの なつのひに /8+5
ひざしがもやした ものだ(ろう)か /8+5
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