「あー、暑いよ暑いよー」

今日は猛暑日。
何もしなくても汗がダラダラ垂れてくる
年少組のリンちゃんとレンくんとミクは外で水遊びをしていて
時々、楽しそうな叫び声が聞こえてくる
羨ましいと思うけどこの歳で水遊びはちょっと…って感じだし
この暑い中では何をするのも億劫だった
めーちゃんはリビングにいるはずで
ルカは、迎えに来た俺の悪友のがくぽとプールへ出掛けにいったはず。

さっきからずっと自室で、(リビングには露出が多い服装のめーちゃんがいるから
うっかり襲っちゃいそうになるため行けない)
ゴロゴロしていたのだが
暑いのはどうしようもなく、全然涼しくならないのでシャワーを浴びることにした


脱衣場に入り風呂場を見ると誰も居ないのを確認し
シャワーを浴び始めた
しばらく良い気持ちで浴びていたら脱衣場のドアが開く音がして。
誰かなーって思っていたら

「ミク―」

そんな声と同時に風呂場の扉が開いて。
目を丸くしためーちゃんと目があった

「…め、めめめーちゃん!!!」

お互い、時が止まったようにフリーズしていたんだけど
先に我に還ったのは僕のほうで顔を真っ赤にし慌てた声を出した

「…あ、カイトだったの、ゴメン」

男の裸を見たっていうのにめーちゃんは興味なさ気に一瞥しただけで、冷静に告げてドアを閉めてしまった

その後もさっきの出来事に戸惑いながら少しシャワーを浴びてからジーンズを穿き
上は暑いから何も着ないでリビングでアイスを食べようと
ドアを開けるとめーちゃんが扇風機の前に陣取っていた


「あら、カイト。シャワーは空いた?」

めーちゃんは扇風機の前に座ったままの状態で
俺を見上げ、いつもと同じ表情、同じ口調で訊ねた

それを見ていると
さっきあんなことがあったんだから少し意識してくれていいはずじゃないか
と思えてくるけど
めーちゃんにとっては大した出来事ではなかったのだろうか
それとも僕のことに興味がないということなのだろうか

そう思うとすごく複雑だ―…

「…めーちゃん」

「なによ」

めーちゃんは相変わらずだ
意を決して訊ねてみる

「…僕の裸見て何とも思わないの?」


そう言うとめーちゃんは改めて僕をじっくり見てくる
改められると気恥ずかしいけど我慢だ、男の意地だ…!

「筋肉がついててよく締まってる」

帰ってきた答えに思わず拍子抜けしてしまった
めーちゃんは真面目に答えてくれたんだろうけど男として悲しすぎる…

「そうじゃなくてさ…ハァ」

「何よ、そのため息。」

「いや…何でもないよ」

めーちゃんにはわかってもらえないだろうと思い、諦めてアイスを食べることにした

めーちゃんはシャワーをさっさと浴びに行ってしまった


「あー、サッパリした」

リビングで椅子に座りアイス食べているとしばらくしてめーちゃんが帰ってきた…のだが。

「めーちゃん!何、その格好!」

めーちゃんの格好を見てギョッとした

「何って普通の格好よ」

めーちゃんはそういうけど胸元が開いた赤いキャミソールにホットパンツを穿いていて
着替える前の格好でも辛かったのに、より露出の多い服装は破壊力抜群。
めーちゃんはスタイルが良すぎるから
大きく開いた胸元からは谷間はもちろん、
これまた真っ赤な下着も覗いていて。
丈の短いホットパンツからは肉感的な脚がのびていて。

「目のやり場に困るよ…」

僕は小声で思わず本音を漏らし顔を赤くし俯いた

「ははぁーん、さては私の姿を見て発情したわね?」

めーちゃんは唇の片端を持ち上げ官能的な表情をし
いじらしく問いかけた

僕は俯けていた顔を急いで上げて否定した

「ち、違うよ!!変な言い方しないでよ、めーちゃん!!」

困る。そんな身も蓋もない言い方をされたら。
間違ってはいないけど非常に困る。

「あら、じゃあ違うのかしら?」

めーちゃんの顔はいたずらっ子のように益々輝き
僕の後ろにまわると、後ろから抱きついてきた
めーちゃんの豊満な胸が当たる
マズイ。ヤバい。もう無理、限界。

「っぐ…!」

めーちゃんは益々いたずら(イタズラ、なんてそんな易しいものではないけど。)を仕掛けてきて。

「だって、だって…そんな格好でいたらしょうがないじゃないかぁ!」

ついに僕の中で理性という名の糸が切れた気がした
男として限界。
めーちゃんの手をはらい、椅子から立ち上がる

「めーちゃんは俺のこと男として意識してないかもしれないけど
俺だって男なんだぁ!男として当たり前の反応だよ!」

そう叫ぶなめーちゃんに正面からが抱き着いた

「…誘ったのはめーちゃんだからね?」

さっきとうってかわった本気の声。
挑戦的な表情でめーちゃんの耳元で甘く囁く
流されてくれるかと期待もしたけど流石はめーちゃん。
次の瞬間、思い切り耳をつねられた

「イタタタタッ」

やっぱり一筋縄では行かないか…

「カイトのくせに100万年早いのよ」

そう言ったときのめーちゃんの顔は少し赤かった
知っている、めーちゃんは素直じゃないっってこと。
きっとこれは本当は照れ隠し。
めーちゃんに素直に甘えてもらいたい、頼ってもらいたい
それに見合った男のなるから。
いつかめーちゃんに僕の思いをわかってもらえる日がくるのだろうか


思いを伝えるその日まで―それまで待っていて。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

思いを伝えるその日まで―。

本心は隠したまで―。のカイトsideとなっております

閲覧数:82

投稿日:2011/05/26 18:48:31

文字数:2,230文字

カテゴリ:小説

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