「ぴっ、ぴっ、ぴー。マスター、お時間です」
「えっ?!もうそんな時間?」
ミクは私が設定した時間通りに、寝る時間を告げてくれた。
パソコンをいじっていると、どうも寝る時間が不定期になってしまう私にミクが提案してくれた事だった。
「寝ないとまた朝が辛いですよ?」
「そうだよねー」
ミクが私を寝かしつけようとする。という事はなく、私が指定した言葉を喋ってくれているだけ。
ミクが私の家に来て、まだ一週間。四六時中パソコンを起動している訳にもいかず、実動は十時間も無いかもしれない。その中でミクはインターネットを巡回し、知識を蓄えている。いつしかミクはミク自身の言葉で話してくれるだろうか。
「よし、じゃあ寝ますか」
「そうですね、それが一番です。それでは私はこれで・・・・・・」
ミクはそう言うと、自分からプログラムを終わらせようとするが、私はそれにストップをかけた。
「どうしたのですか?マスター」
「ちょっとだけ待っててねー」
ミクは怪訝そうな顔でこちらを見てくるが、私は気にせずに追加プログラムを打ち込んだ。
「はい、出来上がり」
「じゃあ、寝ます!」
プログラムを打ち終わると、意気込んでプログラム実行発言をした。
「そうですね。それが一番です」
ミクからプログラム通りの定型文が返ってくる。いつもならここでプログラムを終わらせるが、今日からは新たなプログラムが動き出す。
「おやすみなさい、マスター。また明日を楽しみにしています」
「うんうん、綺麗に動いてるよ、ミク」
私はミクに「おやすみ」という挨拶を教えた。
私はミクに人っぽくなってほしいのだろうか、それとも自分自身らしくなってほしいのだろうか。インターネットを巡回していれば、いつかはミク自身で話せるようになるだろうけど、私は一刻も早く“ミク”と話したいと思った。
「ありがとうございます、マスター」
「おっ!いえいえ」
ミクはいつの間にかお礼を覚えていた。
挨拶などを教えなかった理由は単に忘れていたというのもあるけれど、やっぱり早く“ミク”と話したいというのが一番の理由。
「じゃあまた明日ね。おやすみ」
「おやすみなさいませ。マスター」
そう言うとミクはプログラムを終了させた。
電源の落ちる前に
ブレまくりですが、せっかく描いたので投稿します。
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