…なんだこれ…。

夢?夢かぁ~



って!
そんなこと言ってる場合じゃない!!

とりあえず。
1、不法侵入者(←ちょっと怖い
2、ストーカー(←かなり怖い
3、泥棒(←女の子一人で!?
4、親戚(←そんなわけがない
5、お化けもしくは幽霊(←…え?…マジ?


1か2だな…
5はあれだ。ないないない。
おおおお化けだなんて、このげげ現代にねえ?いるわけないし。

そんなことを考えながらレンはその少女を起さないように
そっとベッドを抜け出そうとする

「うわっ!」

くんっと服が引っ張られ、またもとの位置に…

「てて…。なんだっていうんだ…よっ!?」

少女の顔が目の前にある
整った顔は少し眼を開いていた

『マスター…何処…へ?』

なんとなく機械の音のような、か細いよく通る綺麗な声だった

「は?ますたー?」

少女は不思議そうな顔をしてこちらを見ている
その瞳の色は、見たこともないような



深い深い緑の色をまとっていた



***************************************

ふと我に返る。
そういや、コイツ何者!?

服をひっぱり少し距離をとる

「ますたーってなんだ?というかなんでお前は俺の部屋にいるんだよ?
てかお前ダレ?なんでこんなとこにいるの?」

矢継ぎ早に質問ばかりを投げかけるレンを前に
その少女は顔色一つ変えようとはしない

『…マスターはマスターです。ここにいるのは先ほど茶色い大きな紙製の箱に入っていたのですが、
どうにも狭い所でして…試しに脱出を試みたところ成功いたしましたので現在此処におります。』

レンは一気に話し続ける少女をマジマジと見つめている

『なぜ。と聞かれましてもお答えできかねません。プログラムの設定上、私の現在の記憶以外はある意思をもって凍結されています。それ以上の…』

「あーー、待って!てか待った!」

うーん、と頭を抱えながらレンは小さく唸った

「えっと…つまりさっきから変な段ボールがちらちら目に映ると思ったら、アレに入ってたの…?」

レンは転がっている大きな段ボールに指をさした

『だんぼーる?なんですかそれは?』

「はあ?段ボールは段ボールだよ。…てかっ!」

ひょいっとベッドを飛び降りる
そして段ボールに貼ってある紙を見つけた

(送り主…と、これか? くそっ、滲んでてよく見えねー。そういや今日雨降ってたっけ。)

それでもなんとか滲みの薄いところを読み上げる

「…名前は、これか?nein…?聞いたこともねーっての…。」

ガシガシと頭をかき上げる

「…で、名前は?」

『名前…。ある人や事物を他の人や事物と区別して表すために付けた呼び名のことでしょうか?』

少し首をかしげながら、不思議そうに少女は聞き返した

「なんだそれ。」

わけがわからないといった顔をしながら
(こいつはもしかして本物の馬鹿ではないのか?)
とか思ったりしているわけで。

「あー。つまり!名前がないんだな?このままじゃいろいろ不便だし…」

いつもあまり使わないような頭を必死になってまわしてみる

(緑…じゃ味気ないし…。み…み…)

『マスター? く…』

「それだ!」

『どれでございますか?』

少女はキョロキョロとあたりを見渡す

「だから!ミク!おまえの名前だよ!」

『名前…。私の…。』


ふわり。とレンには少女が笑ったように見えた

(っ!//)
(もしかしてこいつ…)

『マスター?どうかしましたか?』

「…なんでもねえ!!それよりなんだ、さっき何か言いかけてただろ?」

『はい。ここに黒を基調としたシンプルかつ繊細なデザインのいわゆる紙なるものから作られた書物がありますが?』

「…いちいちややこしい言い方だなお前。」

段ボール箱の中に入っていた黒い本を拾い上げる
だが本といても分厚いわけではない
なにかの説明書のような感じだ

(まさか!あれか!あの人の名前を書いただけでその人の人生乗っ取れるてきなアノ!!)

…どうでもいい勘違いをしているようですが

「こいつのこととか書いてあんのか?ん?」

中から挟まれていたらしいメモ用紙がはらりと落ちてきた

「なんだ?番号?060-…電話番号か?」

(とりあえず、こいつのことはわけわかんねーし。とりあえずかけてみるか…)

傍にあった携帯を開きながら番号を入力していく

「っと、これでよし。」

緊張を隠せないまま耳に携帯電話を当てる
プププ…プルルルルル…プルルルルル

(おいおい…繋がらないのか…?)

プルル…ガチャッ

(うぉ!かかった!)

「あの…もしもし?」

「もしもし~??」

テンションの高い男の声だった
声からすると20代といったところだろうか?

「あの変な段ボール箱が届いて…そのなかに入っていた本にこの番号が書かれていたんですが?」

「おー!届いたんだやっぱり。…さすがだねえ、時間ピッタリだ…。」

「?あの?よく聞こえなかったんですけど?」

「ん?ああ!気にしないで☆」

(語尾に☆つけてきたー!!…なんなんだこの人。)

「あのこれなんなんですか…?」

「ん~いろいろと説明したいんだけど。」

「してくださいよ!!なんなんですかコレ!?」

なかなか話が進まないのでイライラしてくる

「じ・か・ん!大丈夫?今日は学校じゃないの?」

(はぁ?時間…)

部屋にある時計を確認する

「…8時?」

「そう8時!急がないと遅刻するよ~」

いまさらながら説明しておくと
俺、鏡音レンは国立音羽中等部二年である
つまり14歳、普通の学生である
ちなみに学校の始業時間は8時30分

そしてこの寮からは所要時間30分
このままいけばまず間に合わない時間だ

「マジかよ…」

絶望を眼前に突きつけられ、クラクラしそうになる

(しかも今日は…)

「「始業式」」

きれいなほどに声が重なった
まるで自分の声がそこに吸い込まれたかのように

「でしょ?」

(!!!なぜ?!)

「…どうして知ってるんですか?」

「まぁいいんじゃない。今は。」

(おかしい…このあたりの人なら音羽が始業式なことは知ってる…)
(でもこいつの住所は、…まああんまり読めなかったけどこのあたりでは確実にない。)
(なのになぜ…?)

「…そんな悩める君に俺からのプレゼントだよ。」

「はい?」

「そこにいるんでしょ?かわいいかわいい女の子が。」

「ミクのことですか…?」

「…。その子に頼んでみなよ。きっとうまくいくから☆」

(信用していいのか?こいつ…。)


***********************************************************************************



そんなこんなで、俺達は出会った。

段ボールという籠からでてきた女の子に。



何でもない始業式に遅れそうになってたり。

変な男の語尾☆を聞かされたり。

やけに頭が痛くなってくる。

とにかく今日は……








「厄日だ」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

どうせなら、このまま。  ~01~

進みだしました。やっと。

女の子は初音ミクです^^

なんだか長くなってしまいましたが…

読んで下さった方はコメントいただけると嬉しいです(^^♪

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閲覧数:190

投稿日:2011/04/17 04:41:31

文字数:2,967文字

カテゴリ:小説

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