鳴らない電話にどんなに問い掛けても
何も答えてはくれないのよ。
当たり前のお話だけれど。
本当は声が聞きたいけど
出来ればかけてほしいから
目蓋が重くなるまでくらいは
待ってみようかなんて強がり。
もしもあたしが寝てしまったら
いつものあの場所で待っててあげる。
夢の中で出逢えたのなら
許してあげようと思うよ。
その代わりにそっと肩を抱き寄せてね。
あなたの声に近づけるように。
何かを失くしてしまったの。
胸にポッカリ空いた穴。
塞ぐことの出来るあの人は
もうここからは影すら見えない。
記憶は色褪せもせず
思いが溢れ止まらない。
あなたに会いたい。逢いたい。
あの日のように夢で逢えたら…
夢の中で出逢えたのなら
前よりも素直になるから。
今度はあたしからあなたへ駆け寄っていく。
「あなたのその、声を聞かせて」
いつまでも抱き締められたまま
眠りにつけたら
いいのに。
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