2年ぶりに会った君から 告白された
恋愛ではなく 君の余命宣告のこと
午後の喫茶店 冬の陽のやわらかな光
あと1年だよ、と穏やかに君は言った
突然の話だった 呆然としたわたし
そして人目を憚らず 泣きじゃくった
泣きくたびれたわたしに 君はこう言った
誰にも話さないでね キミだけの秘密だよ...
悠久の時の流れの中で 二人は出会い
ほんの一瞬のような 1年を過ごす
病めるときも 病めるときも 病めるときも
死が二人を分かつまで 君のそばにいるよ
失われた2年を 埋め合わせるかのように
残された1年を 慈しむかのように
君とわたしは いろいろな約束をした
初詣 お花見 夏の海 紅葉狩り...
お正月 わたしだけおみくじを引かされた
桜並木 遺影用にと写真を撮った
カラオケで お気に入りを何度も歌わされた
ありきたりなこと でもかけがえのないこと...
悠久の時の流れの中で 二人は出会い
ほんの一瞬のような 1年を過ごす
天国だか来世だか わからない、けれど
また出会えたら 迷わず君のそばに行くよ
時の流れは残酷 夏が終わる頃に
君の何度目かの そして最後となる入院
足繁く通った 病室の君に会いに
明るく振る舞う元気も だんだん無くなった
再会してちょうど1年 目覚めた君が
お気に入りの歌を 聴かせて欲しいと言った
とっさに思いついた Cメロから歌った
ありがとう、君は目を閉じて そのまま旅立った
遺影は バストアップのバックに桜並木
散る花びらに 君はただ見入っていたよね
過ごした時間 訪れた場所 その面影
止めどなく溢れてくる 君がくれた想い出...
悠久の時の流れの中で 二人は出会い
ほんの一瞬のような 1年を過ごした
最期に君が聴いたあの歌は 歌わない
死が二人をもう一度 出会わせるまで
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