#1
月曜日…それは俺にとって一週間で最も憂鬱な曜日だ。
そのうえに夏のこのジメジメとした湿気が気に入らない。
しかしながら、俺たち二人はこのくそ暑い中、いつものように口論しながら走っている。
「まったく…リンが遅いからまた遅刻しちまうだろう!」
「ごめんね!思ったより、身支度に時間がかかっちゃって!」
「そんなもんいらないだろ!どうせ誰も見えてないって!」
「ひどーい!どうせ、レンにはわからないわよ!そんなにいうなら、待ってないで先にいけばいいじゃない!」
「ばか!それができないからいってんだ!」
そう、俺たちは離れられない。
別に変な意味ではなく、そういう決まりのようなのだ。
「いいから、早くいくぞ!」
俺たちは自分たちの高校に向かって走った。
なんとか学校にはついたが、時すでに遅く、完全にアウトであった。
時間的には朝のホームルームが終わるかどうかといった時間だろうか。
ホームルームが終わっていれば、担任は職員室にいく。
つまり、俺たちは担任に怒られなくて済むということになる。
俺たちはホームルームが終わっている事を願いつつ、教室に向かう。
ところが自分たちの教室にいくと、中から野太い声がする。
どうやら、まだホームルームは終わってないようである。
そこで俺たちはお約束通りに教室の後ろからそっと忍びこもうとする。
「こらっ!鏡音!」
しかし、これまたお約束通りにゴツイ担任に見つかってしまう。
「「はいっ!」」
二人はビクッとして直立をし、返事も揃って言ってしまう。
なぜ、二人とも返事したかというと…
俺たちはいとこ同士であり、同じ名字だからである。
そして、俺たちは小さい時から最近まで、いつも一緒だった。
-そう、最近までは…
「鏡音!また遅刻だぞ!あとで職員室にこいっ!」
クラスメイトのクスクス笑う声が聞こえる。
「…よし!それじゃ、ホームルームは以上だ!」
そういって担任は教室を出て行った。
「なんだよ…終わるところだったのかよ。」
俺が拗ねたようにつぶやく。
「教室に入らないで待っているべきだったね…」
リンもしょぼんとしていた。
「しかも…呼び出しくらっちまったし…」
「うん…辛いよね…」
俺たちが二人して肩を落としていると、クラスメイトがこそこそと話している内容が耳に入ってきた。
「ちょっと…また鏡音が一人でぶつぶつ言ってるよ。こわっ。」
一人の女子生徒がいう。
「マジきもい。つか、マジでやめてほしいよね。いつも一人でぶつぶついってるし、気味悪いよね。」
他の女子が同意した。
「あいつ、鏡音がいなくなってから頭おかしいんだよ。あいつ、他に友達もいないし、きっと妄想で話し相手をつくってるんだろ。」
という男子生徒の声も聞こえた。
他にも教室全体からそんな話がいくつも聞こえた。
こういったことは【あの時】から日常茶飯事であり、もう慣れた。
それに、彼らがそう思うのも無理はない。
なぜなら、リンは…
-【幽霊】なのだから。
そう、彼らには幽霊であるリンは見えていない。
もちろん彼女の声もきこえない。
そして、俺がどうして彼女を感じ取れるのか…それはわからない。
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しるる
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もうっ・・・
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【キミがいない】家出少年と迷子少女【世界の方が間違い】
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海斗「めg・・・」
パシィーン
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姉音香凛
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【キミがいない】家出少年と迷子少女Ⅶ【世界の方が間違い】
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姉音香凛
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しるる
【キミがいない】家出少年と迷子少女Ⅱ【世界の方が間違い】
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・・・・どこにいるんだろ?
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