A1)
掃いて捨てるほどいた子供
母の手に引かれて家路へと
一人また一人と去りぬれば
此処には君だけさ影法師

B1)
カラスが鳴くから帰ろうよと
僕の手を取った八百万(やおよろず)
いっそ神隠しされた方が
君の存在意義が
わかるでしょ

S1)
受け入れること拒絶した
翻(ひるがえ)された掌の意味
現実を注いでみても
小さな身体(うつわ)では空き足らず
盲目的な独り善がりは
前後不覚に陥りそうで
ぽつり独り言零した
君の名は孤独ナ影法師

A2)
娑婆に棄てられ汚(けが)された
幼き心には重すぎて
人の温もりに触れられず
愛を知らなかった影法師

B2)
赤く染まった夕闇はまだ
中途半端な希望残し
いっそ完全に陽が落ちれば
諦めがつくでしょう？　嗚呼
無責任

S2)
孕まされた必然性
緊急回避する術(すべ)もなく
抗えども俎上(そじょう)の魚(うお)
運命(さだめ)に忠誠の契約を
“愛されたい”と願うこと
それすら僕には許されず
闇が辺りを包み込む
消えそうで孤独ナ影法師

C)
輪廻の輪を首に掛けて　こういう具合にしやしゃんせ
浮世の幕を閉じましょう　徒然なるこの日々

S3)
受け入れること拒絶した
翻(ひるがえ)された掌の意味
現実を注いでみても
小さな身体(うつわ)では空き足らず
盲目的な独り善がりは
前後不覚に陥りそうで
未練なんてもうないから
来世へ荷造り始めようか

S4)
愛に気付いて傷ついた
『それなら知らない方がいいよ』
耳を塞げどこだまする
辺りを見渡すも影法師
「君は誰だ」と尋ねるけれど
それは紛れも無く僕自身
本当は愛されたかったんだ
「サヨウナラ孤独ナ影法師」