ユア視点
「…これは…」
「キョウちゃんっ!」
「初音ミクオ…」
【ミナサン…】
私達四人が其処へ着いた時、既に居た三人の人影が居ました。
私達は、すぐにその三人が分かりました。
キョウとアクアとクオ…。
「ユア…」
「ユアさん…」
「…」
三人は私達の方を見ました。
私はまっすぐに三人の下へ歩いていきました。
「クオ…。貴方は、何がしたいのですか?」
私は、クオの方をまっすぐに向いて言いました。
ミクを取り戻したい気持ちは分かりました。でも…だからって、自分を犠牲にするなんて、何かが違うと思うのでした。
「…ミクを、取り戻す」
クオの答えはそれだけ。そうとしか答えないと分かってました。
でも、それじゃあ悲しいだけです…。ミクの気持ちは…どうでも良いのですか?
「それだけですか…。自分をどうでも良いと思ってるんですか…?」
「…」
クオは黙ったままです。
「ユアさん?」
「キョウ、俺が行く」
「アクアちゃん…」
「…クオ、さっきから黙って聞いてりゃ、何だよお前は!何がしてえんだよ!」
突然アクアが出てきて、クオの胸倉を掴みました。
「アクアっ」
「ユアは黙っとけ!」
アクアは怒りだけしか持っていないようでした。
クオの言葉に、何を怒って居るのかは分かりませんでしたが、このままアクアを暴走させてはいけないと思っていました。
「アクアちゃんやめてっ!」
其処で出てきたのは、意外にもマイちゃんでした。
「お前は…あの時の…」
「アクアちゃん、暴力に訴えなくてもさ、良いんじゃないの?私も言葉でって言うのは難しいけどさ。いくらなんでもそれいけないんじゃないの?ね、サウ」
「…あ、ああ…」
「だからさ、クオさんも、考えてください」
マイちゃんはまっすぐにクオの方を見ました。
「…」
「その方が、良いですよ…。クオさんの体は、今ではもうクオさんだけの物じゃないんです。私も、ソウも、ララちゃんも、リンさんも、レンさんも、ルカさんも皆、みんな…。そう、ミクさんだって、クオさんに居てもらいたいって思ってる筈ですよ。私は、ミクさんのやさしさを知っています。そして、その分傷つきやすいって言うのも、皆知ってます。そして…私は知りませんが、ユアさんやミリさんは、クオさんが居なかった事に心を痛めていたミクさんを知っています。其処まで知って、クオさんはあえてミクさんを残して行くのですか?遺して…消えてしまおうと思ってるんですか?」
キョウは、マイちゃんの言葉に頷いて、こういいました。
「何なら、どうすればいいんだよ」
クオはやっと口を開きました。
その声は、とても悲しい声でした。
「どうしたら…俺は、ミクを取り戻せるんだよ…。俺は、ミクと一緒に居られるんだよ…。俺は、バグなんだぞ…?ただ、ボーカロイドであるミクを蝕む事しか出来ないバグなんだよ!このミクのコアを見てみろよ…」
そうやって、クオが取り出したのは、ミクのコア。
中央が黒ずんでいて、いかにもバグが其処にある事を示しているようだった。
「俺は、この中央のバグなんだよ。このバグを消せば、俺も消える。俺が居れば、バグは存在し続け、ミクを蝕み続ける!どちらかしか選べないんだよ…!」
「…っ!」
そのクオの言葉に、悔しそうな表情をして、アクアが俯きました。
【…デモ、ソレハリロンダケノハナシデショウ?】
「…LOLAさん…?」
意外にも、口を開いたのはLOLAさんでした。
【リロンダケデハぼーかろいどハカタレマセン。アシュダッテ、リロンデイッテシマエバぼーかろいどノナレノハテデスミマス。デスガ、ココニイルまいサン、さうサン、あくあサン、きょうサン…ソシテ、くおサンハチガウデショウ?イマハソノモトニナッタぼーかろいどノコトモカンガエナイデ、フツウニカレララシクイキテイルデショウ?ばぐガナンデスカ?ナラ、ばぐヲモノニシテシマエバイインデスヨ。アシュハダイタイソウヤッテウマレテイルデショウ?ばぐヲモノニシテシマエサエスレバ、アナタハアナタトシテイキテイケマス。ワタシハ、ソウカンガエテイマスガ?】
『…LOLAさんの言うとおりだね』
「ミク!?」
その時、何処からかミクの声が聞こえてきました。
それもそのはず…ミクのコアに、ミクを造った場所である此処に、ミクの代えの体が無いわけありません。
その二つが呼応して、ミクの声が聞こえているのでしょう。
『クオは私の事まで引き摺っていなくて良いんだよ?私はクオの元へ戻ってくる。どんな事になっても』
「ミク…」
『この話は…ヒカリじゃなくて、もっと暖かい…新しいオリジナルのお話なんだよ?』
クオのミクと同じ色の瞳からは、涙が溢れていました。
マイちゃんも、サウ君も、キョウも、アクアも、LOLAさんも…そして、私も…。
ミクとの再会に、心から、涙を流していました。
*******************************************
ロスト視点
「…くっ!」
俺は、もう一度この場所を守る。
4年前はこの場所を守れなかったでも…絶対に守りたいんだ。
「レイン様、敵の数が多すぎます!」
リオは、悪UTAUを何体落としてるのかも数え切れないくらい落としているらしく、少々疲れの見える声でそう言った。
「多すぎるって言われても、私達にはどうも出来ないわよ。でも…。ただ一つ言えるのは…」
「ユアさんが、ミクさん達を連れて帰って来ることを待つだけ、でしょ?レイン様!」
「そうよ、マキ。だから、リオも頑張って…」
「はい、わかりました」
三人は主に銃とソードを使って交戦しているが、何体斬っても撃っても悪UTAUの数は減らない。
「やめろっ!このっ!…お前らなんかが、UTAUを名乗るな!UTAUは…こんな物じゃない…。UTAUっていうのは、違うんだよ…僕は、お前らなんかとは違う!このっ偽者がああああああああっ!」
テトさんは、かなり発狂していて、悪UTAUを無残に切り倒して行く。
今のテトさんの様子はかなりおかしい。ルルみたいに暴走しなければ良いのだが…。
「ヒヨリ、もうそろそろやめとかないと、お前を作った人に申し訳が無いと思わないか?」
俺はヒヨリに話しかけた。操られているUTAUにこれが効くとは思いもしないが。
【申し訳が無い?じゃあ、私達は苦しむために生まれてきたんですか?ボーカロイドと比べられ、ボーカロイドより劣っているとけなされる運命だと知って…?】
「誰がお前達をけなしたんだよ!お前達は、俺やユアと、家族のように育ったじゃないか!それを今更けなすなんて、そういう風に扱うなんて事はない!」
【じゃあ、他の人達はどうなんですか…?】
「他の奴らだって、お前達を必要としている!ボーカロイドに無い何かが、お前達の中にあるはずなんだ!何が良いとか、そんなのはどうでもいい!ただ、お前達はボーカロイドじゃないから、ボーカロイドになろうなんて思うな!お前達はUTAUだ!テトさんやテイも、お前の…仲間だろう…?」
【仲間…】
ヒヨリの動きが微かに遅くなった。その途端に、悪UTAUは全て機能を停止する。
【私は、何…?私は、私は私は私は私は…UTAU…】
その途端、ヒヨリの機体はバチバチを音を立て、墜落していった。
「ヒヨリちゃんっ!」
墜落して行くヒヨリの機体をテトさんが受け止めた。
**************************************
テト視点
「ヒヨリちゃん…」
僕がコックピット内に入ると、気絶しているヒヨリちゃんが居た。
そして、ヒヨリちゃんのつけていたヘッドフォンに黒い石が見えた。
「これは…エンジェクリスタル…?でも、色が違う…」
これが、僕達UTAUを操っていた物…。
僕は、ヒヨリちゃんを助け出すと、その石と共に、その機体を爆破させた。
***********************************
レイン視点
あの後、悪UTAUは言うまでもなく全滅したわ。
そして、今ユアちゃん達が帰ってきて…。
「ミク姉っ!」
「り、リンちゃん…」
「ミク…」
「ごめんね、皆。心配かけちゃって。あと、クオ君も謝るんだよ?」
そう、ボーカロイドのスターとも言える存在である(ちなみにユアちゃんが言ったのよ?)ミクちゃんが帰ってきたっていう事ね。
クオ君もちゃんと帰ってきて、一件落着って所かしら?
でも、まだ解決してない物もあるけれど…。
「そういえば、ルルはどうしたんだ?」
アクアちゃんの一言で、その場の空気が少し暗くなったわ。まあ、仕方ないものね。アクアちゃんはその場に居なかったもの。
「ルルは、キリアちゃんと一緒に何処かへ…でも、戻ってくると思います。図太いルルの事ですし。それに、キリアちゃんもそうやすやすとやれれる人ではありません」
アクアちゃんの言葉に答えたのはユアちゃん。まあ、確かにルル君が死ぬとは思えないものね。
「博士どどーんと登場!」
「あら?博士さん。どうしたのですか?」
博士が出てきて、ユアちゃんは首をちょこっと傾げる。
「ああ、ユ●だったか?」
「「「「博士(さん)危ない橋は渡るんじゃない(です)っ!!!」」」
「?」
ああ気付いてないわ…。
「こほん、というのは嘘で、ユイだったか?キリウの事で話があるんだ」
「もしかして、キリアちゃんのですか…?」
「そうそう、●オルが何かを受信したみたいでな。キリエの居場所がわかったみたいなんだ」
博士の言葉は、誰にも予測不可能だったわね~。
まあ、イアル君が伊達にキリアちゃんと一緒に居ないという事ね。
続く
歌姫戦士ボカロボット第34話
今回は次回予告どおりにかけた気がします!
次回予告
ミク「どうもっ!久しぶりです。皆のアイドルミクですよ~!…すみません、調子に乗っちゃいました!まあ、次回はルル君とキリアちゃんが…という話になりますね。っていうか、カイト兄さん卑怯ですッ!次回「卑怯と遭難」なんか…嫌な予感しかしません…」
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