その日の夜。夕食を終えて。
 「雅彦君、ちょっと良いかしら?」
 ルカから声をかけられた雅彦。
 「はい、構いませんけど」
 「それじゃ、私の部屋にいきましょう」

 ルカの部屋に入る二人。扉を閉じると、早速ルカが切り出してきた。
 「雅彦君、沢口さんにご執心の様子ね」
 「ええ、それは自覚があります」
 うなずく雅彦。
 「最近は、雅彦君が話題にすることが沢口さんに関することが多い気がするわ。沢口さんを今度のミクのライブに招待する話とか、雅彦君とミクを題材にした小説のエピソードの参考のために、その時の様子を色々とやり取りしたりしているっていってたわよね」
 「はい、そうですね」
 「実はそのことで、昨日ミクから相談があったの。最近、雅彦君がミクに構ってくれなくなったって内容よ」
 「そう…、ですか」
 「雅彦君、最近、ミクと接する機会が減ったという自覚はあるかしら?」
 ルカが問いかける。
 「…あまりなかったですね」
 「なぜ、ミクを接する機会が減ってしまったことに対して自覚が無くなってしまったのかしら?」
 ルカはあくまで優しく、詰問口調にならないように注意を払いながら、雅彦に問いかける。
 「多分、僕は沢口さんと知り合いになって、そのことが嬉しいんだと思います。沢口さんと話したりすることが、僕には新鮮に映りますし。僕にとってはそのことが大きくて、他のことに気が回らなくなったんだと思います」
 (だいたい、私の予想どおりね)
 「雅彦君、少し言葉は悪いけど、今、ミクは沢口さんに嫉妬に近い感情を抱いていると思うわ」
 「嫉妬ですか」
 雅彦が怪訝な表情で聞く。
 「そうよ、ミクは嫉妬ということについては良いイメージを持っていないから、自分がそんな感情に囚われていると私が指摘して戸惑っていたわ」
 「はい」
 「本当なら、そうなった場合には現状をしっかり把握した上で、何らかの形で折り合いをつけないといけないものだけど、ミクはあなたの愛情をずっと受けていたから、それが急に無くなることにはなれていないと思うの。だから折り合いをつけるのはあまり上手くないかもしれないわね」
 「僕は…、どうすれば良いでしょうか」
 反省したのか、雅彦がルカに教えを請う。
 「そうね、先ずはミクに謝ることね、本当は以前と同じようにミクに愛情を注げれば良いけど、今の雅彦君は沢口さんという存在を無視できないと思うの。そうでしょ?」
 「はい、それは間違いないです」
 「だから、以前ほどミクに愛情を注げないことをミクに伝えて、ミクに折り合いをつけるようにいった方が良いわ」
 「分かりました。ルカさん、助言ありがとうございます」

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初音ミクとパラダイムシフト4 2章23節

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投稿日:2017/03/08 23:50:12

文字数:1,119文字

カテゴリ:小説

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