日暮、鳴り響く夏の暮
「邪曲な月だ。」と貴方は睨み上げる
その背に見えた夏景色はどこか、落莫
届くかも分からない
貴方の指、崩れそうな旨は直隠し

ほら、聞こえるでしょう
子供達の声、幾何も
でも、聞こえないでしょう
私の声

月は悪戯に濡つ袖を明白に晒すから
寝床に急いだあの日はいずこ

時勢が別つ二人の影を哀れむ者ももういない
それでも想い続けて
目尻に浮かぶ霞は唇噛み耐えました
又鐘が鳴る
逆しまに鳴り止む事を忘れた法螺が呟いた
「蛍と蝉」と。

そして気付けば終始水辺を歩いてた
覗く水鏡
口閉じぬ金魚が群れて一笑
「そら早くその手を。慰め代わりに喰ろうてやろうぞ。そらそら早う。―――蠢きもしないのならば引きずり込むぞ。」

ああ無情に終わる それもまた罪か だけど
私の器では待つという水を受けるには小さすぎて、
瞳の霞となって溢れてく 晩秋の決意

走馬燈の中
霞んだ光の中に観た
「蝉が鳴いている。」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

蛍と蝉

和物その1~

閲覧数:92

投稿日:2011/02/05 19:55:34

文字数:410文字

カテゴリ:歌詞

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