『芸術家は死ぬのは怖くないんです』

レンとマスターと夕食を食べていた時、テレビニュースはそう言った。
このひと達も画面の向こうにいるのに、私達とは違うらしい。
マスターと同じ人間なんだって。

『芸術家は絵を、作品を遺せる。体は無くなっても心は生き続けるから怖くないんです』

それを聴いてレンは首を捻る。
「そういうもんなのかマスター?」
「ん?ああ…俺は芸術家じゃないからなぁ…」
一般企業に勤めるマスター。
彼はもむもむとサラダを咀嚼してからもう一度口を開いた。
「お前たちならわかるんじゃないか?」
「えぇっ?」
またレンが首を捻る。

「お前たちなら遺せるものがあるじゃないか」

ボーカロイドとして。

「あ…でもほら、俺達は」
死ぬなんてどういうことかもわからない。ただ消えるだけだもの。

その言葉を呑み込んでレンは私を見る。
「…リンはわかるか?」
「へ?んー……やっぱ、怖いと思う」
消えてしまうのはとても怖い。
ああ、それでも。
「でも私達が歌った唄が他の仲間やマスターに、もっともっと先まで伝わるのは素敵だよね」
だってそうすれば。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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記憶が思い出になってもⅠ

※ボ-カロイドはアンドロイド化できる設定です。
続きです→http://piapro.jp/content/?id=dl99t9vqe759diuh&piapro=378765a3bdb886b9095b4adb51edd8eb

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投稿日:2009/10/04 12:40:01

文字数:479文字

カテゴリ:小説

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