月が見えた天井からぶら下げられた月
歩いても歩いても届かない幼きあの日
あれから何年経っただろう
赤ん坊のような指も低い視線も小さな歩幅も
もう失ったけれど
夢見心地の夜風が心の傷にそっと触れて
わずかばかりに痛むのはきっと君のせい――
閉ざされた扉はもう開かない
あの懐かしい夜道も同じだけれど違うから
そっと涙を零すの
虚構の四重奏(カルテット)
あのころはこの空の向こうに何があるか知らなくて
月は誰かが毎日取り替えているものだとばかり
そっと砦を抜け出してみるそこには微笑む女神
セレネは微笑みアルテミスは目覚めヘカテは眠りに落ちた
テルルの町は輝く世界サバトのお酒は甘い蜜で
シュガールは私の騎士(ナイト)
私の手を取りそっと跪く
デーモンは元は神様だったらしいし
なにより実は幸運の神様らしい
不幸が幸運を運ぶなら
私は不幸を選びたい
閉ざされた扉はもう開かない
あの懐かしい夜道も同じだけれど違うから
そっと涙を零すの
虚構の四重奏(カルテット)
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想