午前零時に鳴った携帯電話
6年前に出会った友達の声が耳を突く
受話器越しに伝わる緊張感が可笑しくて
気の抜けた笑いがこぼれた

今日は何の話をしようか
言いたいことは山ほどあるけど
こうやって肝心な時に出てこない
ポツリポツリちょっとずつ喋り始めて
いつの間にか饒舌なっている私とあなた

突然の電話も驚きだけど何よりも驚いたのは
お互いが声を聞きたいと思っていたこと
「これって運命なのかな。」って私が言うと
「前世からの縁だ。」ってあなたが言う
不思議と違和感は感じられなくて
「来世もよろしくね。」ってまた言い合う

そういえばこの話が出るといつも思う事がある
今回は思い切って伝えてみよう
「数年後に良い旦那さんに巡り会って子供が出来て、
私たちに似ているその子たちが仲良くなったりするのかな。
もし学校が同じだったら2人でたむろしたり、
スカート短くして怒られたりするのかな。」

こんなことを言ったら冗談交じりに
あなたは「一生独身かも…」とか言う
「そしたら同じ老人会に入って温泉に行こう。」って答えたら
「早くおばあちゃんになりたい」って
しみじみ言うあなたが可笑しくてたまらない

前世でもたぶん友達で今も友達で
子供が出来てもおばあちゃんになっても
天国に行ってももちろん友達
来世はどんなふうに会えるのかな
楽しみ過ぎて眠れないよ

あれから1時間が経過した
そろそろ眠らないと起きられない
「風邪ひいちゃだめだよ」
「あなたこそ」
「今日も楽しかったね」
「そうだね、もう寝ないと」
「温かくして寝ないとだめだよ」
「それさっきも言った(笑)」
困ったなかなか電話が切れないよ

遊び終わってからの帰り際とかには
次会う約束をしてから別れを告げるの
あの年の11日から生まれた大切なルール
「また明日会おうね」って抱き合って
最後は背中が見えなくなるまで笑顔で手を振るんだ

私が声を聞きたい時にいつも
あなたも同じことを考えているから
いつどこにいても呼び鈴は必ず届く

ライセンス

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友人からの電話はいつもこんな感じです。
不思議と引き合うようにお互いが繋がるんです。

あの11日の恐怖は今でも根強く私たちの心に傷を残したままです。
あの日以降私たちの間にルールが生まれました。
「バイバイ」という言葉ではなく、
「また明日学校でね」という言葉に変わったのです。

交通網の乱れ、電波障害、警報。
様々な混乱の中に置き去りにされた私たちを繋ぐためには、
このルールが必要だったのです。

どんな困難が襲い掛かってきても、
伝え合うことをあきらめない限り、
私たちの友情は永遠になるんだと思います。

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投稿日:2012/12/05 20:03:25

文字数:849文字

カテゴリ:歌詞

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