僕のスマートフォンは急に
感度が悪くなりました
僕の張り上げた声は既に
君を通り過ぎて行きました

届かないんだよなぁ
全部、届かないんだよなぁ
指から伝える温度も
この喉から叫ぶwantも

僕のスマートフォンは油でも
帯びたのか言う事を聞きません
僕の熱気は油でも
浴びたのか怒りの方へ燃え上がる

拭えないんだよなぁ
何も、拭えないんだよなぁ
画面の歪んだ色彩も
この頬からこぼれる赤い涙も

水平線の向こうに
臨界点の向こうに
僕の伝えたかった言葉がある
前哨戦の愚行は
本戦まで染みた不幸は
過ちの塊肉 僕の撒き散らしたかっただけの言葉

僕のスマートフォンはいつまでも
油みたいな何かを帯びたまま
僕のゴールデンエイジが今でも
この足元に滲んで離れないよ

消せないんだよなぁ
何も、消せないんだよなぁ
ぷつり指で破ったあの障子も
頭据わってなかった幼少期も

水平線の向こうに
臨界点の向こうに
僕の伝えたかった言葉がある
永続性の愚行が
終着点の後悔が
後ろから前から 僕を挟み撃っていく

僕のスマートフォンは急に
感度が悪くなりました
僕の張り上げた声は既に
君を通り過ぎて行きました

とどかないんだよなぁ
ぜんぶ、とどかないんだよなぁ

大丈夫だよ赤ちゃん一緒に行こう
頭が据わるまでは