肩にのせた段ボール
太陽の坂道
ガムテープを転がして
行き先を決める
あのころを知る者は
ただ一人
また今日旅立つ
最後の世代
あてのない旅に酔ふ
浮かれた流行り風邪ももうゐない 今
最後の世代が部屋を出る
ドアに名前をつけたまま
熱く燃えてた時を知る
最後の世代
鍵をなくした駐輪場は
草の葉の近道
トラック荷台に
音楽を乗せる
あいさつは済ませたか
世界中に
ポスターをはがした
壁紙の先に
歌ひ継ぐ者もない
ガラクタの音だけが覚えてる まだ
最後の世代が部屋を出る
夢のかけらを抱いたまま
走り続けた日々を知る
最後の世代
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