あなたの振り上げた手が　震えているような気がした
震えていて欲しかった　願望だって分かっていた
目を閉じたくても閉じられない　最後まであなたを見ていた

あなたに出会ったのは　よく晴れた日曜日
私にはそんなこと関係ないけれど　世間は休日
友達とちょっと遠出した　山の中流
水が光を反射して　美しい世界だった

その辺りでは　あなたは有名で
気をつけなさいと言われていた
騙されちゃだめよ　泣きをみるだけよ
怖がりながらも　友達と山を楽しんだ

そこにあなたは現れた　魅力的に誘うモーション
仕掛けた罠だと　気付いた時は手遅れで
気が付けばあなたの前に踊り出ていた

あっと言う間だったわ　何が起こったのか分からないくらい
私を見てさわやかな笑顔　ドキドキが止まらない
身動きとれない私をよそに　あなたは振り向いて
可愛い女の子に優しい目で話しかけていた

離してと手を振りほどいても　笑いながら追ってくる
友達の顔が水面に映る　でも届かない
「逃げるな」と笑いながら　あなたは私を仲間の所へと連れて行った
怖い笑顔に囲まれて　もう息が出来ないわ

暴れても片手で押えられ　横たえられたらもう終わり
よく晴れた日曜日　光を反射する刃　私はもうあなたしか見えない

あなたの振り上げた手が　震えているような気がした
震えていて欲しかった　願望だって分かっていた
目を閉じたくても閉じられない　最後まであなたを見ていた