「オメデトウ」 「オメデトウ」
 言祝ギテ 皆踊レ
 神ノ前 面付ケテ
 裳裾引キ 渦ヲ巻ク

 春夏秋冬の任 終えたこの身に
 望まれるのは 帰らざる旅
 心を隠し 集う人々
 尽きぬ涙を 無きものとした

 気狂い桜 降り注ぐ
 赤・紅・緋に 染まる空
 視界奪われ 夢心地
 今は遥かな 郷里想う



 「アリガトウ」 「アリガトウ」
 高ラカニ 皆謳ウ
 月照ラス 野原ニテ
 楽奏デ 終夜

 二度と目覚めぬ 明日を待って
 ひりつく咽頭に 息を潜めた
 心を隠す 白面の笑み
 尽きぬ嘆息 知らぬ振りした 

 気狂い桜 降り積もる
 赤・紅・緋と 染まる地に
 伏して委ねた 想いさえ
 風に散らされ 残らない



 心モ表情モ 日々モ言葉モ
 全テヲ隠シ 唯々祝エ 
 古キ神トノ 永訣ノ瞬間
 新タナ神ノ 幕開ケノ瞬間

 (嗚呼、慶ベヤ)
 (嗚呼、歓ベヤ)

 灯火消える 祭り日の
 終焉の刻 唯祈り
 気狂い桜 身をやつす
 見上げた空は 尚青く



 「サヨウナラ」 「さようなら」
 手締め打つ 鶏の声
 踏み出した 黄泉の旅
 見送るは 雲ひとつ




―――――*―――――*―――――*―――――



 おめでとう おめでとう
 ことほぎて みなおどれ
 かみのまえ めんつけて
 もすそひき うずをまく

 ひととせのにん おえたこのみに
 のぞまれるのは かえらざるたび
 こころをかくし つどうひとびと
 つきぬなみだを なきものとした

 きぐるいざくら ふりそそぐ
 あかあかあかに そまるそら
 しかいうばわれ ゆめごこち
 いまははるかな さとおもう



 ありがとう ありがとう
 たからかに みなうたう
 つきてらす のはらにて
 がくかなで よもすがら

 にどとめざめぬ あしたをまって
 ひりつくのどに いきをひそめた
 こころをかくす はくめんのえみ
 つきぬたんそく しらぬふりした

 きぐるいざくら ふりつもる
 あかあかあかと そまるちに
 ふしてゆだねた おもいさえ
 かぜにちらされ のこらない



 こころもかおも ひびもことばも
 すべてをかくし ただただいわえ 
 ふるきかみとの えいけつのとき
 あらたなかみの まくあけのとき

 ああ よろこべや
 ああ よろこべや

 ともしびきえる まつりびの
 (しゅ)うえんのとき ただいのり
 きぐるいざくら みをやつす
 みあげたそらは なおあおく



 さようなら さようなら
 てじめうつ とりのこえ
 ふみだした よみのたび
 みおくるは くもひとつ


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

気狂桜奇譚

わたしのじんせいは きげんつき




一年神主:その名の通り、一年交代で選ばれる神主(神事の主催者)。昔々の地方では、毎年任期が終了したところでその神主は殺されたという
―――そんな伝承と「桜が綺麗なのは、その下には死体が埋まっているから」という都市伝説(?)を混ぜこぜにしてみました^^
でも所詮は半日クオリティ。しかも“奇譚”の使い方を間違えている感が否めませんが……深く考えたら、多分負けです orz
因みにタイトルは【きぐるいざくらきたん】と読みます。というか、読んでください;;;




*()内は一文字で数えてほしい箇所です
*特殊な読み方をさせている個所があります。ご注意ください



閲覧数:152

投稿日:2011/02/09 19:33:25

文字数:1,108文字

カテゴリ:歌詞

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