それはキヨテルが大屋さん的な存在で経営されている、共同生活アパートの「歩華路荘」で起きたお話。
そこでは鏡音姉弟、グミ、カイト、ミク、の5人が子供のころからそれぞれの理由で共同生活を送っている。
カイトの友達でよく歩華路荘に遊びに来る「神威がくぽ」。
歩華路荘の隣のアパートに住んでいてみんなのお姉さん的存在の「メイコ」。
がくぽに至っては最近顔を出すようになった。
そしてある少女の(天然なのか鈍感なのか、無意識のうちに)特別な存在になってしまっている。(「 Lovable girl. [first]」にて)
今回はあの年の差カップルの話ではなく、アイス馬鹿とネギの歌姫の話になる。
それは暑い真夏日の夕方のことだった――――――。
「ミクーさっき3回謝ったじゃんかー」
「あと997回謝らないと許してあげないっ」
「1000回ぃっ?!」
カイトとミクの二人は夕方だというのにリンの「今日は冷やし中華が食べたいのっ!」の一言により、その材料を買いに出ていた。
夏ではあるが夕方なのでだいぶ涼しくなっている。そんななか10分ほど前にミクが家に帰ってこっそり食べようと買っていた【☆夏の新作☆ネギトルコアイス】をこともあろうかカイトが食べてしまった。
ミクにとっても予想外の出来事であり、まさかトイレに行っていた2分の間にカイトがアイスを平らげてしまうとは思わなかった。
トイレから戻ってきたミクにカイトは「ねぇ、これメロン味じゃないのー?おかしーなー」と呆けた顔で言ったのだ。
「まさかミクのアイスだとは思わなかったんだよー。てかミクがアイス買ってるとは思わなかったし・・・。ほら、まだ半分しか食べてない・・・。」
「見た目でわかんないの?【ネギ】って書いてあるでしょ」
「・・・だって僕のメロンアイスと色似てたし・・・。わああああああっごめんっ!」
しゃべりながら横のミクの顔色を窺うカイト。彼にはこのように怒ったミクの前では一人称も「僕」になってしまう弱いところがある。
「どんな・・・味だった・・・?」
ミクがどのような顔をしているのか、カイトにはかけらも見えない。
「え?・・・生ネギがねばねばしてる感じ・・・。トルコアイスだし・・・。」
「なんでこんなさ・・・。夕方の涼しい時間に・・・アイス食べようと思ったの・・・?」
「えっと・・・。家まで我慢が・・・ってミクちょっと怖いよごめんなさいいいっ!!」
「・・・」
ひたすら謝り続けるカイトをミクは冷ややかに無視した。カイトは右手に夕食の材料が入ったビニール袋を持ちながらも器用に両手をあわせミクに頭を下げる。
「ねぇねぇ、まだ余ってるって!ミクほら、これ!」
「なんで私がアンタの食べかけを食べなきゃいけないの?」
「アンタって・・・。いいからほら、アーンしてよほら、アーン・・・」
「こんな寒い中でしかも道端で恥ずかしいことさせるなぁ!」
周りに人はいないのだが、ほんのり頬を赤くするミク。カイトは立場が変わったとでも思ったのかこっそり微笑を浮かべた。
「分かった、もういいよ。帰って食べてね」
「っえ?・・・たっ、食べるわけないじゃないっ」
そっけなく、何事もなかったような顔をして前に向き直るカイト。
ミクが安堵と困惑の入り混じった表情を見せるのは少なからず「アーン」を期待していたからであろう。赤くなったままのミクとカイトは無言になり、歩き続ける。
―――すると、
「はいっ・・・。」
「え?何カイト・・・。これっ・・・。」
カイトはミクの肩に自分が来ていたパーカーをふわりとかけてやった。
「半袖パーカーだけどミクはTシャツ一枚だし、無いよりマシでしょ?」
「・・・っと・・・なんで・・・。」
「さっきから自分で【涼しい】【寒い】って言ってただろ?」
「っつ・・・。むぅ・・・・・・ありがと」
「んーっと・・・なんて言ったの?」
「笑うなぁ!アイスのこと、許してあげないっ!」
「ははっ・・・。ミークっ!」
「・・・うー?・・・えっ、きゃっ・・・」
歩華路荘まではもう少しの距離だが、アイス馬鹿は笑みを浮かべながらこう考えていた。
「この道がもっと長く続くと良いな―――――」
―――――――――――――きっとネギの歌姫も同じことを考えていたに違いない。
 ̄☆ ̄☆ ̄☆ ̄☆ ̄☆ ̄☆ ̄☆ ̄【余談】 ̄☆ ̄☆ ̄☆ ̄☆ ̄☆ ̄☆ ̄☆ ̄
「ミクもバカイトも遅すぎるよーっ!!リンおなかすいたぁ!」
「こらこらリン殿、そのようなことは・・・おや、ミク殿、どうしたでござるか?」
「あーミクどうして真っ赤になってほっぺた押さえてるのー?バカイトはニヤニヤしてるしー・・・もしかしてラブラブちゅっちゅしてきたのー!?」
「リン、それは多分ねぇーよ。唇じゃなくてほっぺただろ」
「レン殿もリン殿もそのようなことは言わないのがマナーでござるっ!」
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