聞き慣れた硝子越しの声
空気を伝って聞こえる音が
やけに鼓膜を震わすの
張り詰めた糸を裁ち切れば
途端 静寂が訪れる

指先で辿る鏡文字の筆跡
垂れる雫を辿る貴方の指先
けれど互いに触れはしない
重なり合わせたい掌は
いつも 熱を交わさない

記憶に残る貴方の残像が
いつの日も私を捕え離さない
消さないで消したくない
本当はもう思い出せないとしても
消えないで消えないの
私の声が音を成さないとしても

初めて震えた私の世界
それが歌だと教えてくれた
たとえ偽りの世界でも
貴方の声が私の鼓膜を打つ
全て 貴方がくれたもの

記憶に縋る私の弱い心が
いつの日も貴方を捕え離さない
聞かないで聞きたくない
本当は全て気付いていたとしても
聞こえない聞かせないで
いつか来る終わりが今だってことを


言わないで言わせないで
私はもう貴方の為に歌えないことも
言いたくない言わなくちゃ
貴方の声がもう聞こえないことも


私の歌が貴方の世界に融けたことを

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

鼓膜

歌詞を書くのは初めて。
これも私の世界の一部です。

切ない中の強さを見つけてもらえたら嬉しいです。

閲覧数:135

投稿日:2010/12/03 18:15:31

文字数:426文字

カテゴリ:歌詞

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