これによりリアーナ女王が率いし華麗なる魔術師たちが集う、魔導国家ジャッロの主力となる人物たちが此処に集結する。

 まず、リアーナ女王は召使のレオナルドに尋ねた。それは偵察の結果についてである。

「レオナルドよ。明日に走らせる、魔導列車の経路はどうであったか?」と扇子で自分を扇いでいるが、どことなくソワソワした様子だ。

「はい、女王陛下。フォレスタ・キングダムまでのルートに問題はありませんよ」

「おおっ、ならば良い。もし、魔導列車の経路に“あの地”に住まう盗賊たちが出没したならば、メテ姫の誕生日を祝う前にMPを使ってしまうからな。妾はその事だけが心配であった」

 リアーナ女王が“あの地”と言い表したのは、荒野の町ランブルウィードのことだ。イルヴァルス大陸北部に位置するジャッロから、南部のフォレスタ・キングダムまで向かう途中に危険区域を横切らなければならない為、それについてリアーナ女王は懸念を示していた。

「あらぁん、女王陛下。ワタシとしては、わざわざ陸路で“あの地”を通り過ぎるより、皆で魔導飛空艇でお空から向かうのが安全ですわよ」渋みのある独特な声色でイザベラが言った。

「うむ……それも考えたが、妾としてはジャッロの華麗なる部分をアピールしたい。フォレスタ・キングダムの民たちへ、大地を走る魔導列車、空からは天翔る魔導飛空艇を魅せていき、女王である妾が魔導列車から華麗に登場するシーンを印象付けたいからな。まさに“夢の国”のミュージカル! それがメテ姫への誕生日プレゼントじゃ」

「それこそ、陛下らしいお言葉で御座いますよ。このダニエラ、女王のためにファンタジーなセカイを演出致しましょう」

 ダニエラはリアーナ女王の考えに賛同する。彼は、癖でシルバーフレームの角眼鏡を中指で軽く持ち上げる仕草をし、自分の意思を示すのだ。

「並ならぬ拘りが、おありですね……」レオナルドはそう言うと女王……即ち、自分の姉が考える登場シーンが可笑しく思えてしまう。

 こうして考えが纏まったリアーナ女王とミスティークたちは、フォレスタ・キングダムへ入国する際に行う演目のタイトルを決めた。といっても、決めるのは女王のみの権限である。

「ようし! では、明日のフォレスタ・キングダムへの外交テーマは、空と海と大地で祝いし姫君にしよう!」

「リアーナ……。君がドラクエ好きなのはわかるけど、ぼくたちの国に海を走らせる船はないよ……」

「言うでないレオナルド……それに妾たちは今、ドラクエよりもアイスボーンの規律を護っておる……」

「そうでしたわね……女王陛下。ならば、夕食後の7時過ぎから、ひと狩り向かいますか?。ワタシの作成したイケメンハンターが、太刀で金獅子へリベンジしたいと言っております」

「うむ、イザベラよ。妾もアヤツに負けたのが悔しい。せっかく笛使いのレオナルドが皆を強化し、サポートしてくれておったのに双剣使いの妾が掴み技からの元気玉で……」

「金獅子の討伐は、このダニエラが操作する“エマ”にお任せください女王陛下。最近、エマにキリン装備を揃えたばかりです」

「ダニエラよ……そちは、ハンターにもエマと名を付けておるのか?」

「さようです。ペットのニシキヘビもエマ、自分が操作する女ハンターもエマ。まさにダニエラは、エマあっての魔術師ですから!」

「もう、エマの名はよいっ!。そちのしておること、危険すぎるぞっ!。もはや狂気しか感じぬわッ!」

 三大魔術師ミスティークの一人であるダニエラは、エマと言う名前に強く惹かれているようだ。他のヒトからすると常軌を逸した執着である。

 暫し4人が重要な会議をしていると『ガチャ』と扉が開き、女王の間のなかへ新たな人物が姿を現した。

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G clef Link 魔導国家の頂点5

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ネタにした側の言い分なんですけど
ピアプロさんとカプコンさんは、長いことコラボしてますからね(笑)↓を見てください。

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投稿日:2020/02/19 00:53:00

文字数:1,563文字

カテゴリ:小説

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