小柄な貴方は意外なほど、早歩きで
小走りで追いかける私を、柔らかく笑って手招きしていた

貴方の優しさを少し煩わしく思った時もあった
貴方の優しさに甘えて強い言葉をぶつけたこともあった
甘えたな私は忙しさを言い訳に遠のいた足を今、後悔している

一緒に食べたご飯も
五月蠅いくらいの蝉の声も
何度も歩いた買い物の道も
苦しいくらいの愛おしさが私の胸を押しつぶす

本当は料理が得意じゃないこと
心配そうに味をうかがう顔に、私はちゃんと美味しいと伝えられただろうか

訳も分からないまま電話を受けて
貴方より仕事の心配をしたこと
子供な私は死を知らなかったことを、貴方の死で知ったよ

誕生日に届くお菓子も
それに添えられた丁寧な手紙も
もう届かない
文字にならない想いを今ならちゃんと分かるよ

冷たいあなたを
花に囲まれた貴方を
怖いと思ってしまってごめんなさい

取り壊した建物を思い出せない様に
貴方の事を思い出すことはないのかと思っていたけど
振り返る脳裏を埋め尽くすのは貴方の笑顔ばかりで

そんなもの捨てなよと
もっといい物買いなよと
貴方の居た部屋では、貴方の反応がこんなに鮮明に分かるのに

貴方がいつも立っていた狭い台所に立つ
私の幸せは見えていたでしょうか
どうか、苦しいほどのありがとうは今でも遅くないと信じさせて下さい

相変わらずの私です
心配でしょうか
いつかまた私の手を握ってください。
その時ちゃんとありがとうを言えるように、今練習しているんです。
だから、もう少し待っていてください。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

see you[曲募集]

1年前、初めてのお葬式で、冷たくなり横たわる大好きな人を、私は怖いと思いました。
今はそれでもやっぱり大好きだと思います。
これはそんな子供の散らかった思い出の唄です。

もっと見る

閲覧数:182

投稿日:2017/01/10 02:30:21

文字数:659文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました