『それでは神様ゲーム……スタート』
その声と共に、ミクを囲んでいた壁が消えた。
すると、壁が現れる前の真っ白な世界ではなく―――。
「え……アイ○ツベル○城?それともシン〇レラ?」
大きな城のような場所。
白い柱、白い壁、床は白と黒の四角いタイルに、カーペットが敷かれていた。
と、その時。ドン!という爆音が遠くで鳴り響いた。
(ああ、もう戦ってるのか……)
腰の短剣に軽く触れ、ミクは一歩前へ歩き出した。
「さて…まず、リンちゃんたちを探すべきかなぁ?……ううん、それより早くコインを取った方が良いか…」
そこまで考えて、ふと気付く。
自分が他人のコインを取ると、クオが助かる。―――自分の、「大切なもの」が。
だが、そのコインを取られた人は逆に失ってしまうかもしれない。何かの間違いか、誤って命を落とす結果になったなら……その時点でもう、ゲームオーバーだ。
だからといって手加減したり、迷いがあれば死ぬか、コインを取られてしまう。
このゲームは、神を決めるためのものとして単純な力、頭脳、そして「心」まで試しているのだろう。
「……時に熱く、時に冷静に、時に残酷に……」
そう呟きながら、今歩いているこの廊下から右の曲がり道へ行こうとした瞬間―――。
「が……ッッ!!」
目の前を人が飛び、そのまま壁に背中を強く打ち付けた。
飛んで、じゃない。飛ばされて…だろうか?
見れば、金の長髪の女性だった。体は傷だらけで、背を売った際の衝撃で血を吐いてしまっていた。
「だっ……大丈夫ですか!?」
ミクは思わず駆け寄り、彼女が飛んできた右の通路を見やる。そこには――
「…あれ、君はなんだい?コインと命が惜しいなら逃げるべきだよ。……あ、その女から奪い取っていくのもいいかもねぇ」
赤い髪を二つに結い、ドリルのように巻いた女性が立っていた。
その手には斧のような武器。テ○ルズか。とか突っ込んでいる場合じゃない、とミクは頭を軽く振った。
「ぐ……っぁ、だれ、が、取られるか、ってんだ……!!」
金髪の女性がフラフラになりながらも立とうとする。それをミクが反射的に止めると、睨まれてしまった。……が、彼女の体はボロボロで痛々しかった。
「……っ、こんなボロボロで動けなくしてからコインを取るなんて……卑怯じゃないですか!死んだらお終いなのに……!!」
「…は?……ククッ、君は実に馬鹿だな。もう既に一度は死んでる身だよ?何を今更……っ、チッ」
彼女のセリフの途中で苛立ちが募ったミクは、短剣を抜いて眼前の女性のドリル目掛けて投げつけた。
それを避けている隙に、金髪の女性へ向き直り、手をかざす。そして―――
(戻れ……このゲームの「初め」に、この体を戻せ……!!)
すぅ、と彼女の体の傷が癒えていく。破れた服も、血の跡も、全て消え、戻っていく。
その刹那。傷を「戻し」、癒えた女性が突然腕を掴んできた。
そして、突然なぜか風を受けたと思ったら、目の前を斧が通過した。
「え…」
「大丈夫か?……ありがとう」
「え?いえ……え、何が…」
「ちょ、落ち着いて。今のはアタシの……『速さを操る力』で、ちょっと動いただけだ。だから、いつの間にか移動してた、って感じだろう?」
ってことは、ものすごい速さで斧をかわしたから当たらなかった、ということだろう。
床に刺さった斧を引き抜くと、ツインドリルの女性は、こちらに向き直った。
「君の力は、治す……か、癒す。そんな所か?」
ブンっ、と彼女が軽々と斧を振り上げる。
それが落ちる前に手をかざした、瞬間。
「いえ――戻す、力です」
斧が粉々になり、赤髪の女性の周りにはキラキラとした砂鉄のようなものが広がった。
「な……ッ、」
瞬速。金髪の女性が、手にした槍で一気に肩を刺し貫いた。
「あ゛あ゛ッッ!!!」
赤髪の女性が鮮血を噴いて倒れ、ミクたちはほっと息を吐いた。
「やったか?」
「た、多分……」
「……ありがとう。アンタが来なかったら、最悪死んでたかも知んない。アタシは…、リリィ」
「あ……ミクです!…よろしく」
ああ、とリリィは笑うと、痛みに呻いている赤髪の女性に近づき、コインを二つ取った。
「あ…やめ…っ、ろ…」
「はいよ、ミク。最初のコインだろ?」
「あ、ありがと……」
「いや、アタシこそ助かったよ」
そういって、リリィはまた笑った。
「……アタシはいきなり、気付いたら倒れてたんだ。この女にやられてね?……なぁ、名前は?」
「…は…?」
赤髪ツインドリルの女性は、訝しげにこちらを見た。
「だから、名前。……負けるとは思わなかった。ミクがいなかったら多分死んでた。一度戦ったんだ、いいだろ?」
「……て、テト。あの斧は、僕が能力で重くしたから…その重力で、君の速さに追いついていけた。…まぁ、振り下ろすの限定だけどね」
「ふーん……テト、だな。分かった。……コインは貰ってくけど…頑張れ」
チッ、とテトは舌を打った。嫌味に聞こえたのだろう。
「……」
す、っと突然ミクはテトに近づき、彼女に手をかざした。
「…何?トドメかい?只の馬鹿、ではなかった…、かな?」
肩を抑えて壁に寄りかかるテトは、もう息も切れ切れだった。
「違う。そんなこと、しない」
「ミク…?どうした?」
リリィもこちらを伺ってくる。そしてミクはその場にしゃがみこみ、まっすぐにテトを見た。
「……この戦いの「初め」に、戻れ―――」
つい先ほどのリリィと同じ様に傷が消え、破れた服も戻っていく。
「なっ、ミク!?」
「このままでいたら、失血で死んでしまう。そしたら―――失ってしまう」
ミクにとっては、クオ。テトが失うものは分からないけれど、それでも…
「どうか、頑張ってください。私たちも、負ける気はありませんから」
ぽかん、としていたテトはふっ、と笑うと、
「ふふ……折角君という馬鹿がくれたチャンスだ。…まぁ、やってやろうじゃないか?……僕は左へ曲がる」
「私はこの先へ進みます」
「じゃ、アタシは右だな」
ミク、リリィもそれに続く・
「――それでは、ご武運を」
リリィと手とは、何も言わずに進んでいく。
それを見送ることはせず、ミクも振り向き、歩いていった。
神様ゲェム・3
ごめんなさい。もう一度言います、ごめんなさい。
前回から三ヶ月以上たってます、ごめんなさい。((
……今読み返してみたら、テトに物凄い死亡フラグ立ってる…(汗)
次回は!!!リンレン戦!!!イェァ!!!(((
関係ないし3日過ぎたけど、カノ誕生日おめでとう
今日はいぬ○くの、ちのちゃんの誕生日皆おめでとう
コメント1
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ご意見・ご感想
美里
ご意見・ご感想
リリィちゃんとテトさんだと……!?
テトさんはともかく、リリィちゃんの大切なもの……なんだろ。
次回はリンレン!イェァ!!
……あれ、リンとレンってもしや敵同士……?
2013/05/13 19:20:23
アストリア@生きてるよ
リリィは……リオだっけ?(((亜種いたはず
リリィもテトさんも可愛いし!強いし!!
二人の戦闘も書きたかったけど……めんd(((ミク視点だから!!!
ふふふ…それはこれからを読んでいってくれると嬉しいかな!((
敵かもしれないし、味方かも知れないし、二人で一緒に神になるかもしれないし、はたまた……??
メッセージありがとね!!!
2013/05/15 18:59:48