久し振りだよ ここに来るのは
モミジが埋め尽くす市民公園
あのときはまだ秋の盛りで
焼け付くような紅(あか)が怖いほどだった

悲しげな君は 霜月の街並みに消えた 僕は見送った
どうして君のこと何一つ 助けてやれなかったんだろう


今は見頃を少し過ぎたな
モミジは白茶けて 風に揺れてる
あの日の君は やけに綺麗で
まばゆいほどの紅に負けていなかった

小さな背中が 霜月の街並みに溶けた 僕は手を振った
どうして君のことその腕で 抱きしめてやれなかったんだろう


最近学んだんだ 木の葉が色付く仕組みを
ようやく気付いたんだ
あの日 君が綺麗すぎたのも 「それ」と同じ事だったんだね


俯いた僕は 霜月の街を流れゆく 君はもういない
今ここで吐き出す言の葉も 何一つ届くことはない

北風が 霜月の街をひとつ吹き抜けて ふと見上げた時
干涸らびた木の葉と雪の花 混ざり合い ひらりと落ちた

涙が ひとすじ 流れた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

霜月の街

紅葉の美しい街を舞台に、
鮮烈な色彩が一人の男の追憶を彩る。

爽やか切ないストーリー系楽曲に仕立てたいと思い続けて、
もう何度紅葉シーズンを逃したことか。

閲覧数:105

投稿日:2012/11/11 00:20:39

文字数:411文字

カテゴリ:歌詞

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