サビ
あなたは其処にいたはずで
私も此処にいたはずで
それでも今この部屋は
何事もなく在るままなんだ
A
「初めまして」と呟き落とす
笑顔がとても眩しかった
「苦しいよ」と微笑み零し
あなたはずっと其処にいた
B
私が同じように返しても
部屋は無情に押し潰した
空っぽの言葉 咎めるみたいに
光遮り閉ざしてた
C
私とあなたが過ごした世界はおんなじなのに
どうして微笑っていられたの?
サビ
あなたが其処にいた昔
私が此処にいた昨日
それでも今この部屋は
何事もなく在り続けてる
A
「それじゃあね」と互いに笑う
誰にも内緒の合言葉
「秘密だから」と誓った事は
どちらも言ってはいないのに
B
いつからあんな風になったのか
眩むくらいのあなたの笑顔
虚しさばかり目立つ 昼下がり
私とあなた 間にガラス
C
私とあなたが過ごした世界はおんなじだった
今さら泣いてどうなるの?
サビ
あなたは其処にいたのかな
私も此処にいたのかな
不確かすらこの部屋が
残酷なほど受け入れていた
サビ
あなたが其処にいたのなら
私も此処にいたんだね
無形ですらこの部屋は
溶けていくまで愛してくれた
サビ
あなたが「じゃあ」と言ったから
私も「じゃあ」と言ってみた
ガラス越しのあの部屋は
表情もなく在るままだった
四角い白い部屋
ガラス越しのイメージがなぜかある病院。
ちっちゃい頃に見たような見なかったような。
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