夜の編集室には、いつも少しだけ宇宙みたいな静けさがある。
モニターの光だけが浮かぶ暗い部屋で、今日撮った映像を何度も巻き戻す。
誰かの笑い声。横断歩道を渡る足音。夕暮れのビルに反射したオレンジ色の光。
そのどれもが、数秒で流れていく小さな感情だった。
仕事を始めた頃は、もっと大きな映像を作りたかった。
誰も見たことがないような派手な演出や、強いインパクトのある作品ばかり追いかけていた気がする。
でも、長く映像に触れていると、不思議と心に残るのは“些細な瞬間”だった。
撮影終わり、安心したように息を吐いたモデルさんの横顔。
インタビュー前に緊張をほぐそうとして笑った社員さん。
「ありがとうございました」と言いながら、小さく頭を下げた店主の姿。
動画には映らないかもしれない。でも確かにそこにあった感情を、僕はいつも拾い集めている。
SNSの世界は速い。
次から次へと新しい動画が流れていき、昨日の流行はすぐに遠くなる。
それでも、人の心を動かすものは意外と変わらない。
寂しさとか、期待とか、少しの不安とか。
たぶん動画って、“情報”じゃなく“感情”を届けるものなんだと思う。
最近、移動中によく夜空を見る。
都会の空は明るすぎて星が少ない。
でも、たまに小さく光っている星を見つけると、編集データの中に埋もれている感情と少し似ている気がする。
目立たなくても、確かにそこにあるもの。
仕事という旅路の中で、僕はそういう小さな光を集めながら生きている。
そして今日もまた、誰かの一瞬を残すためにカメラを回している。
仕事という旅路で拾い集めた、小さな感情たち
仕事中に考えたことを旅に絡めてまとめてみました。
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