わたしには好きな人がいます。



<番外編>



わたしはリン。小学校二年生、7さい。
学校は4時間じゅぎょうで、きゅう食はあったりなかったりします。
いつもおうちにかえるのは1時半くらい。
ルカお姉ちゃんがかえってくるのはけっこうおそいけど、リンはさびしくないよ。
だって、おにいちゃんがあそんでくれるから!

「ねーねーちゅーして今日こそはー♪」

はな歌を歌って時計を見つめる。
まだかなあ。4時だから、そろそろのはずだけど・・・
・・・うー、まだかなあ、まだかなぁ。
しかたなくかがみで自分を点けんする。
服もきがえたし、リボンもむすび直したし、オールオッケー!・・・なんだけど。
もう一ど外を見てみる。





――――キキィッ!




あ!



ブレーキの音にとび起きる。
おにいちゃんだ!
もう一度かがみで自分をチェックしてからげんかんに走る。

「レンおにいちゃーん!」
「リンちゃん!ただいま」
「おかえりなさい!ね、あそぼ!」

うれしくておにいちゃんのこしにだき付くと、おにいちゃんはやさしい笑顔でリンの頭をなでてくれた。

レンおにいちゃんはとってもやさしい。リンはおにいちゃんのこと、大好き。
でもおにいちゃんはリンのこと、妹みたいに思ってるの。ぜったいそう!
頭をなでなでしたり、高い高いみたいなことしたり・・・
リンはそんなのイヤなのに。
だって大きくなったらおにいちゃんのおよめさんになりたいもん。


だから「妹」じゃなくて「女の子」って見てほしい。


でも・・・うー、やっぱりリンは小さすぎるのかなぁ。
もっと大人な女の人のほうが、レンおにいちゃんだって好きだよね・・・スタイルよかったり、あたまよかったり、そう、たとえば・・・

・・・る、ルカお姉ちゃんみたいな!?



うあぁ、やだやだやだ!いくらお姉ちゃんでもおにいちゃんのおよめさんになるのはリンがいい―――!




「おにいちゃんのばかあ!」
「へっ!?」



たまらなくなってつい口に出しちゃう。
おにいちゃんはリンのかんがえてることなんて知らない。だからとつぜんだってわかってるけど、でも、でも!

「おにいちゃんの、えーと、すけべ!へんたい!けだもの!」
「!」

思い付くままに悪口をならべると、おにいちゃんはおどろいた顔でこおりついた。

それはそうだよね。だっておにいちゃんはリンのかんがえてること、知らないもん。いきなりこんなこと言われたらリフジンだと思うよ。

別に、おにいちゃんがわるいことしてるわけじゃないのに。リンだっておにいちゃんのそんな顔みたいわけじゃないのに。
リン、おにいちゃんの笑った顔が好き。
すごーくやさしくてあったかくって、お日さまみたいだから。


でもねおにいちゃん。リン、たまにすごくさびしくなるの。
おにいちゃんがつめたい、とかじゃなくて、さびしくなるのはリンとおにいちゃんとのキョリをかんじた時。



おにいちゃんはオトナ。リンの知らないこともたくさん知ってて、いろいろおしえてくれる。

でも、おにいちゃんがほかのオトナのひととおしゃべりしてる時とか、リンはなんのお話をしてるのかぜんぜんわからない。
おにいちゃんにそれをいったら、おにいちゃんは「リンちゃんもそのうち学校で習うよ」っていってくれたけど、でもそれじゃイミないの。

だってリンも大きくなっていろいろわかるようになるんだとしても、今わかるわけじゃないもん。リンは今おにいちゃんとお話したいのに。

どうしよう。

あんまりバカだと、おにいちゃんもイヤになっちゃうよね・・・?

「・・・えとリンちゃん、俺、怒らせるようなことしたかな?」

おにいちゃんが心ぱいそうに言うから、首をよこにふる。

「ううん・・・ごめんなさい。おにいちゃんはなんにもしてないの」




ふっと、このあいだのことを思い出した。
カイトお兄さんと会ったあの日、レンおにいちゃんはキレイな女の人といっしょだった。おにいちゃんと同じくらいのとしの、長いかみの毛を二つにむすんだ、やさしそうな女の人。
あの人、おにいちゃんのクラスメートとかなのかなぁ。おにいちゃんの高校の制服着てたし・・・






・・・いいなあ。



わたしもおにいちゃんと同い年がよかった。いっしょの高校にかよって、同じ教室でべん強して、着るものもこんなこどもっぽいワンピースじゃなくて制服で。席がとなりとかで、「かわいいでしょ?」なんて言ったりするの。


そしたらおにいちゃんもリンのこと「女の子」って見てくれるのに。

でもげんじつではリンは小学校二年生で、ぜんぜんオトナじゃない。




「レンおにいちゃん!」




たまらなくなっておにいちゃんにだきつく。

「・・・リンちゃん?」

ぽんぽん、とかるくせなかをたたかれて、何でかなみだが出た。
そんな、あやすみたいな手なんていらない。
そんな、あやすみたいなことばなんていらない。

「泣いてるの?」
「ないてないもん」
「それなら良いんだけどさ」

せなかで止まった手からじんわりあったかさが伝わってくる。

「俺、リンちゃんが泣くのは嫌だから」

おにいちゃんは、たぶん笑ってる。だって声がそんなかんじだもん。
でもどうしてかな、レンおにいちゃんならイヤじゃない。

「なんで、やなの。リンがないたって、おにいちゃんがいやな気もちになるわけじゃないのに」

なみだごえ。なんかなさけない。
おにいちゃんにみっともないところなんて見せたくないのに、つくろえない。
せめて顔だけは見せたくなくて、服に顔をうずめる。

なのにおにいちゃんはゆっくりとリンを服から引きはがした。

服がなみだでぬれちゃってる。
―――おこられちゃうかな。おこられちゃうよね・・・


でもほんとは、おこられるのよりおにいちゃんにイヤがられるのがやだ。
イヤなことばをかくごしていると、急におにいちゃんがしゃがんだ。




おにいちゃんは、笑っていた。





「だって俺はリンちゃんのこと大好きだから」





ほんとに?なんて言えなかった。
だって、うれしかったから。





リン、ほんとにおにいちゃんが大好きだもん。
おにいちゃんがリンを見てなくたって、いつかミリョクでふりむかせてみせるって決めてるくらい大好きだもん!




きれいなお日さま色のかみの毛と、おそらの色の目。それにあったかい笑顔。
それを見て、リンはきめたの。











おにいちゃん、見ててね。
リンはりっぱなオトナのジョセイになってみせるんだから!











「あのさークオ」
「何、レン」
「何がまずいって、リンちゃんに罵られるのが快感だったんだよ」
「ああ、遂に?」
「泣いてんのとか本当きゅんきゅんしたし。掠いたい!誘拐上等!」
「早めに警察へどうぞ」
「てゆかなんか最近化学の授業が楽しすぎる件について!生物も楽しい!リンたんが沢山出てくる!あー俺科学者になろうかなあ」
「百害あって一利無しだからやめなよ」
「ああもう一生あのままでいてほしい!」
「無理でしょ、普通に考えて」










リン、早く大人になるよ。
だからレンおにいちゃん、あなたのおよめさんにしてね!








「リンたん・マイ・ラァ――――ブ!!」
「うるさい」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

犯罪じゃないね。

前に書いたリンちゃん視点です。


哀れレン君。
さあ果たしてリンちゃんの将来は合法ロリになるのか否か!
そのへんはレンお兄ちゃんの手腕にかかってるわけですけどね。


ちなみにひらがなが多いのはリンちゃん視点だから。
でも正直小二までにどんな漢字習ったとか覚えてないんで・・・誤差は笑ってスルーして下さい・・・



ちなみにこのストーリーはタグの曲が元になっています。
私がロリン好きになったのもそこのリンちゃん(永遠の12歳)のせいです。本当にありがとうございました!後悔も反省もしてません(ぇ

閲覧数:1,329

投稿日:2009/12/13 22:41:20

文字数:3,048文字

カテゴリ:小説

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