・ミクちゃん視点です。
・お兄ちゃんがセクハラです(断言)。
つける薬は無いようです。
<4.とりあえず叱責>
「「ごめんなさい」」
レン君とお兄ちゃんが暗い表情で謝った。
ごめんなさいじゃないよ、もう!特に、
「おにーちゃんっ!」
「み、ミクごめんなさいご近所迷惑でした」
「それもそうだけど、私が男の子と一緒にいるの見たら片っ端から恋人だと思うのやめて!私だけじゃなくて相手にも迷惑だから」
「でもそうやって気を抜いた瞬間ミクが掻っ攫われていくんだよ!」
「自己管理します!」
というかお兄ちゃんは私を一体何歳だと思ってるの!私はこれでも高校生。義務教育は終えてます。職を手にしてるお兄ちゃんには到底敵わないけど、それなりに自分の面倒は見られるよ。というか、自分の面倒くらい見させて!
「そんなだからお嫁さんにも恵まれないんでしょ、もう!」
「俺のお嫁さんはミクだもん!」
「だもん、じゃ、なぁいっ!」
ぺしこん!
平手でお兄ちゃんの頭をはたく。
大体お兄ちゃんだってそろそろ浮いた話があったっていいのに何故ないかというと、この並外れたシスコンぶりが壁になっていると見て間違いない。
黙っていれば顔は良いのに・・・
・・・ああ、まぁ顔「は」だけど・・・
「で、レン、さっきの殺気立った叫びは何なわけ?」
すっかり勢いを奪われた男性二人に、メイコさんが腕組みをして尋ねる。
恰好良いです、メイコさん。
(口で)完敗したレンくんは隣で体育座りをするお兄ちゃんをちらっと横目で睨み付けてから私を見た。
「ミクちゃん」
「ん?なあに?」
ミクに話し掛けるな若造ミクに話し掛けていいのは僕だけだ、そんなことを喚くお兄ちゃんをメイコさんが足蹴にして黙らせる。
レンくんはそんな隣の騒ぎには興味がないように、深刻な顔をして私に尋ねた。
「カイトさんって、まさかテレビで」
あ。
レンくんが何に過剰反応したか気付いてしまった。
そうか、そうだったね。レンくんが好きなのって・・・
でも答えないわけにはいかないから、心の中でお兄ちゃんに謝りつつも、答えを返す。ごめんなさいお兄ちゃん。
「うん、体操のお兄さんをや」
「やっぱりか!この、全国数千万人(適当)のロリ愛で隊の敵の一人め!しかし我々は屈しない・・・国家とN●Kに、幼児に真実の愛を持っているのが誰か思い知らせてやるッ!」
「・・・え、あの、レンくん?」
「貴様を倒すと決めて幾星霜・・・必死にようつべとニコでレベルを上げる俺達を嘲笑うかのように貴様は画面の向こうの楽園で笑う、それに何度殺意を覚えたことか!」
「・・・もしもし?」
「だが貴様の悪行もここまでだ!観念しろ、カイトお兄さん終了のお知らせフラーッ」
「悪行はどっちよ。ロリコンも黙んなさい」
何やら変な構えをしたレンくんにさらっと足払いを喰らわせるメイコさん。
なんていうか、これも慣れの成せる技なのかな。私も自分にとって日常的な事だから対処出来ちゃうけど・・・うーん、あんまり慣れたくなかったかな・・・
「で・・・ミクちゃん」
「はい」
「いや、カイトから惚気を聞いてはいたけど思ったより逞しいみたいで良かったわ」
「メイコさんも、レンくんから聞いていたのよりずっと恰好良いですね」
「そんな、まさかのめーちゃんとの百合フラグ!?まだマシな気もするけどでも嫌なものは嫌な訳でとにかくミクは」
「五月蝿いっつってんでしょーが!」
「違うから!」
私とメイコさん両方に突っ込まれ、お兄ちゃんが再びしょんぼりとうなだれる。
もう、しばらくそのままでいていいから!お兄ちゃんが口を出すとおかしな方向に話が進むから困る。
というか「恰好良い」でこんな過剰反応するなんて、やっぱり絶対クオの事は言えないよね・・・クオの身の安全よりお兄ちゃんの心臓の安全の方が心配だよ。
と、なにやらぶつぶつ呟いていたレンくんが少し落ち着いた様子で口を開いた。
「えーと、カイトさん」
「・・・う?」
「すみません、何も聞かずに先制攻撃しようとしてしまって・・・よく考えたら俺にはリンちゃんさえいれば光源氏計画は実行出来るわけで、そのうえ殺るならばれないように殺らないといけませんよね!また今度にします!」
レンくん・・・君が遠くに見えるのはなんでなんだろう・・・
お兄ちゃんはイマイチよくわかっていないような顔で曖昧に頷く。
いや、そこで頷いちゃダメだよ!
「あ、うん?なんか良く分からないけどミクに手を出さないならそれでいいよ」
「それなら絶ッ対に大丈夫です!」
「なっ、絶対に大丈夫、だと!?ミクに手を出したくないだなんて一体どんな美的センスしてるんだ!」
「カイト、あんたミクちゃんに手を出してほしいのかほしくないのかはっきりしなさい」
メイコさん、なんという的確な指示!
何となくスポーツの中継をやっている気分になりながら心でメイコさんに応援を送る。頑張ってくださいメイコさん、その意気です!お兄ちゃんなんて完封にしてやってください!
そんな私の気分なんて知らずにお兄ちゃんは更にヒートアップする。
「ミクの可愛さに惑わされながらも踏み止まる、それが世の男達の使命!確かにスタイルという点ではまだまだ成長期だけど!」
・・・・・何て言いました?
不穏な感じにざわめく心。
お兄ちゃん、もしかして今、禁句を言った?
わきわきわき。
いかにも「そういうかんじ」に指をしならせながらお兄ちゃんが夢見るようにメイコさんを見る。
「勿論男の夢はめーちゃんスタイル!ぼんきゅぼんのセクスィーvな曲線こそが理想!」
「・・・カーイートー?なーにかしらー、その目つきと指の動きはー?」
流石に臨界点が近いらしいメイコさんが絶対零度の笑顔を向ける。
でも残念なことに、お兄ちゃんには通じない。
何と言ってもお兄ちゃんは無敵のKY。どんな空気も全力で読まない、ううん、読めないことにかけては天才なんだから。
だから、お兄ちゃんは真顔で爆弾発言をした。
「めーちゃん、揉んでいい?」
無言でメイコさんがお兄ちゃんの腹に爪先をめり込ませる。
空中に浮いたお兄ちゃんをレンくんがきらきらした目で見詰めていたのが印象的だった。
犯罪じゃないよ? 4
KAITOさんが素で変態になってどうしようかと思いました。いやシスコンの時点で壊れていたけど。
でも正直言わせたい台詞だったんで・・・ごめんねKAITO、後悔も反省もしていない!
そろそろシスコンのターンからロリコンのターンに入ります。話数としても折り返しくらいになってるのかな。
どこまでこのおかしなテンションを持続できるか・・・そうかレンとKAITOになりきればいいんだ!
コメント1
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ブクマつながり
もっと見る暴走と自制の狭間で。
<5.とりあえず妥協>
すっかり動かなくなったバカイトをワクワクしながらじっと見る。まるでしかばねのようだ。あ、いや実際屍か。
ふふふふ、見たかロリコンの力。正義の鉄槌は貴様に下された、さあ止めを刺してやる!・・・と行きたいところなんですが。おかしなことに俺の心の中には違う気持...犯罪じゃないよ? 5
翔破
・MEIKOねーさん視点です。
そんな子に育てた覚えはありません!
<2.とりあえず相談>
「というわけなのよルカ」
「・・・成る程」
ルカは額を押さえて呻いた。
私も全く同じ心境。なんというか、ここまで駄目な子だとは。話してみると酷さが良くわかるわ。
「いつか法規制に掛かるものにまで手を出すかもし...犯罪じゃないよ? 2
翔破
・まさかのミクオ登場。派生キャラが苦手な方はご注意ください。
邪魔だったら取り除けばよくない?
<3.とりあえず登校>
「あ、レンくんおはよう!」
「おはよレン」
鬱々としていた俺は後ろからかけられた声にちょっとだけ振り返った。
並んでいる二人の姿。いかにも学生っぽい清潔さを微妙に羨ましいと思ったり...犯罪じゃないよ? 3
翔破
・KAITOさん視点です。
・勝手に最終決戦の決着がつきました。
空気、って読むものなの!?えっ、どうやって!?文字なんて見えないのに!
<6.とりあえず生存>
「かいとおにいさんだぁー!」
あ、気付かれた。
さすがに飛び付いて来た子を避けることはしない。そりゃミクの前で飛び付かれて浮気だと思われた...犯罪じゃないよ? 6
翔破
神は俺に微笑んだ!
<7.とりあえず完結>
俺はいまだかつてないくらいにハイテンションだった。
夢なら覚めるな、俺の嫁ktkr
だらしなく緩みそうになる頬を全力で引き締める。もちつけ俺。犯罪、ダメ。絶対。だって逮捕されたらリンたんに悪い虫が付いても駆除できないし!それはひっじょーにまずい事態だ。
へ...犯罪じゃないよ? 7
翔破
わたしには好きな人がいます。
<番外編>
わたしはリン。小学校二年生、7さい。
学校は4時間じゅぎょうで、きゅう食はあったりなかったりします。
いつもおうちにかえるのは1時半くらい。
ルカお姉ちゃんがかえってくるのはけっこうおそいけど、リンはさびしくないよ。
だって、おにいちゃんがあそんでくれるから...犯罪じゃないね。
翔破
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ご意見・ご感想
翔破
ご意見・ご感想
ろ、ロリコンタグ・・・!?
>Ж周Ж さん
やっとレンとロリンが会いました!まさに二人はそういうノリです!
とりあえず、まずはお兄ちゃんの死亡フラグを回避しなければ・・・
2009/12/03 13:45:54