***** 1 誕生日と命日 *****
* 深い絶望のもりにて
「きっとさ―」
心地よい暗闇。
けだるいような、妙に質感のある空気が肌にまとわりつく。
鼻腔をくすぐるのは、すぐ隣に横たわる少女のカオリか、はたまたすぐ側に活けられたドクゼリの香りか_甘く、どこか切ない印象。
少女の表情は見えない。暗さによるものではない。単に少女が背を向けているからだ。
耳の痛くなるような静寂にかわって、少女の美しい声音。
「『生きている』のと『死んでいない』のとでは、チガウよね_」
口調は平坦。しかしその言葉は絶望に満ちている。
彼女が絶望を抱えていることを、少なくとも俺は理解している。
「……ああ。」
気のない相槌。応える気が無いわけではない。応えられないだけ。
俺が抱える絶望を、おそらくは彼女も理解している。
「じゃあ、」
微かに衣擦れの音。
彼女の身動ぎ。
見ると、薄い掛布から彼女の細い肩が覗いていた。
陶磁のように白く、滑らかな肌。そこに残る醜い傷口。
無数に刻まれたソレは、彼女の苦しみの証。暗く甘美な死への渇望―
「ワタシは、『生きている』のかな。それとも『死んでいない』だけ?」
触れようとして、やめた。かわりに髪へと手を伸ばす。
肩口に触れる程度のストレート。触れた瞬間、絹糸のように手の中を滑り落ちる。
「髪。」
「……え?」
振り向いた少女。髪と同色の瞳には、微かに戸惑いの色。
出来る限り優しい表情で、俺は言う。
「髪、伸ばせよ。
そうだな_踝に届くくらい。」
「なんで、そんなに?ジャマだよ。」
逡巡は一瞬。
「―キレイだから。」
すると少女は、花のように微笑む。つられて俺も微かに微笑んだ、と思う。
キミのその儚げな笑顔に惹かれた。その美しい髪に触れていたかった。その宝石のような瞳が好きだった_だから愛した。渇いたココロを埋めることは出来ない_その行為に、何のイミもないと知りながら。
そっと顎に手を添えると、どちらからともなく俺たちは唇を重ねた。
エメラルドグリーンの瞳から一筋の滴が零れていた。
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