少しの間、物思いにふけっていた頭を現実世界へと起動させる。

……もう、どんな事をしても無駄なのに。もう彼は帰ってこないのに。
それでも……貴方に縋っている私は。縋ろうとしている私は、最低だ。
私は目隠しをしていた腕を離し、ベットから降りた。

鏡の前まで来る。―私の顔は、相当酷いものだった。

『ねえ、―。ずっと一緒にいようね』
『ああ』

夏祭りに言ったあの日。小指で結ばれた約束は、今でも消えては―いない。

私は鏡に銃弾を一発打ち込んだ。だって、私がこんな顔をしているのは、たとえ彼であろうとも喜んでいるとは思えないから。

私は……黒光りするそれを、鏡へ向けたそれを、自分の頭へと向けた。

「待ってて……今行くから、ね」

ねえ、ずっと一緒にいようねって―いつも言ってたもんね。
私の人差し指に、躊躇いは無かった。


また、向こうで幸せになろうね―……?


―乾いた銃声とともに、私の視界は暗転した。


 
  END

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

最後のリボルバー 3

区切る所失敗しました;とても短いです。
……ば、バットエンドにしてしまいました。全力で土下座したい気分です。
主人公の切なさとかが伝わっていれば、それで幸いです。

閲覧数:1,204

投稿日:2010/04/18 11:07:01

文字数:420文字

カテゴリ:その他

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