花園に咲いた夏が濡れていた
泣き腫らした午後の雨
咲き乱れていた赤だけ見ていた
彼女の頬は震えているのだろう
踊れる気がした 彼女は立っていた
「何者にもなれないや」
そう嘆いていた どこか可笑しそうに
つかの間 傷を忘れた
「愛されたくて努力だってしたのに
皆があたしを踏み躙っていくんだ」
誰も居なかった花園が綺麗で
また泣き出しそうになった
「何も知らないように見えているのかな?」
さんざめいていた空に泣いているようだ
「笑おうとしたって 息ができないんだ」
それでも彼女は踊りたいのだろう
雨が止んだ時 夏が迫っていた
「生き方を忘れそうよ」
助けて欲しいと伸ばしていた手が
震えているのは傷のせいなのだろう
掻きむしっていた胸が痛すぎて
心の奥 叫び出す
「この苦しみで踊ってみようか」
口を引き結び立ち上がる
「何もなくたって生きていたいだけなの」
花園を揺らして彼女は踊り出した
絵画のような詩的な空の下で
汗まみれで笑いながら
「もしあたしが不幸だったっていいや
こうやって世界に踊ってみせるから」
震えは消えていた 痛みも消えたようだ
汗まみれのまま
夏至の踊り子だと笑っていた
彼女は確かに今を踊っていた
「夏が暑すぎて息ができないんだ」
それでも彼女は踊り続けていた
いつまでも
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