月が揺らめいて花は散ってしまった
僕らの恋文も
知らぬ間に事切れた
遠い日の心覚え
辿り着いたのは邯鄲の夢
美しいほど残酷な君の髪が揺れる
もう君には逢えないんだな
仄に薫る君の想いも
手を伸ばせば届くのに
何も言わずに居なくなった
君が蹌踉めいて僕は手を掴んだ
今にも泣きだしそうな君を
連れ出してしまいたかった
染め上げられたのはつかぬ間の命
哀しいほど愛おしい君の目が僕を見る
もう君には逢えないんだな
脣星楽々を共にして
手を伸ばして僕は泣いた
君が霞んで見えてしまった
さぁ
筝を奏で笏拍子を鳴らして
琵琶の音を聴いて手を叩くの
これだけ鳴らしたら君は分かるでしょ
僕はここにいるよ
だから
戻ってきてよ ねぇ
もう君には逢えないんだな
仄に薫る君の想いも
手を伸ばせば届くのに
何も言わずに居なくなった
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