月に照らされ 広がる湖
波紋の中で 私は唄うの
寒空を抱いた 孤独な場所で
生まれたことすら恨めしかった

幾年も経って 寂しさも慣れたわ
そうして出会った 燃える髪の人に
私を指差し あなたは誰?と聞くから
龍の姿で答えたの


私は天の龍 村の護り神
この場所が私の住処
早くお帰りなさい どうか
村人に見つからぬうちに


月に照らされ 広がる湖
波紋の中で 二人は唄うの
温もりを抱いた 幸せな場所で 
生まれたことにすら感謝した

幾年も感じた 寂しさは溶けたわ
ようやく見つけた 暖かな世界を
泣きじゃくりながら 縋りついた私に
あなたは応えてくれたね


私は天の龍 村の護り神
この場所が私の住処
あなたを抱いているわ 強く
誰にも引き裂けぬように





願いは虚しく空に融け あなたがいる方角から 
燃え盛る炎が揺らめいた


ねえ 私は知ってたはずでしょう
村のみんなが よそ者を嫌うことを





――閉鎖された村、その護り神が、外から来た人間と関係を持てば村は滅んでしまう。村人はそれを忠実に守り、湖から離れた空き家に火をつけた。家の中には、柱に縛りつけられて身動きが取れない娘の姿が―――





幾年も経って 初めて覚えたわ
渦巻く憎悪に 許せない衝動
私を指差し 村に繁栄をと乞うから
龍の姿で応えたの


私は闇の龍 村の破壊神
この場所は私の狩場
脅え逃げ出しなさい もっと
洪水に見つからぬうちに



私は天の龍 今は闇の龍
私の腕には大切なあなた
早く此処に帰ってきて どうか
思い出が砂とならぬように

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

ある村に遺された物語



初音ミク視点です。龍の娘がミク、人の娘がルカになってます。
最近ルカとミクのセットが好きで、ふと浮かんで、絶対に書きたいと思った代物です。

閲覧数:118

投稿日:2010/04/20 16:05:10

文字数:678文字

カテゴリ:歌詞

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