リン、お願いだよ。
戻ってきてくれよ。
僕は、君を失いたくない。
僕ら、2人きりの家族だろ?
君だけが、君を守ることだけが僕の生きる理由だというのに。

……君が、核融合炉に飛び込むというのなら僕もそうする。
僕らは、運命共同体だ。
そうだろ、リン。


「レン、レン」
「何?ねーちゃん」
「写真撮ろうよ」
「何をいきなり、別に今撮らなくても……」
「お願い、レン」
「……分かったよ」


『いくよー、はいっ、チーズ!』


18歳の姉を見たのは、その日が最後だった。
リンは僕には何も言わず、研究所で働くことを決めた。
姉はそれこそ、どれをとっても中途半端であったが、物理や化学といったものには長けていた。

その能力をかわれ、姉は僕を助けるために研究所に勤めた。

朝、僕がリビングへ行くとそこには1枚の手紙と封筒があった。
手紙には、こう書かれていた。

「レンは私よりしっかりしてるから、1人でも大丈夫。
 このお金は私が働いてもらったものだから安心して。
 私は、もうレンと一緒にはいられないけど、レンと過ごした時間は
 私にとってかけがえのない、大切なものだったよ。
 いつか、また昔みたいにレンと暮らしたいな。
 さよなら。  リン」

封筒には厚みがあった。
中を見ると、札束が3つ入っていた。


うちは、お世辞にも裕福とはいえない家庭だった。
両親を失ってからは尚更で、厳しい生活を強いられていた。
それでも、リンといることが僕にとって唯一の幸せだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

炉心融解 ~melt down~ 6

ぐだぐだすぎて自分でも笑いが……←
頑張って書きます!

閲覧数:199

投稿日:2010/06/13 14:05:05

文字数:640文字

カテゴリ:小説

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