それから僕も此処に住むことにした。
幸いなことに制御できないだけでリンは暴走はしていなかった。
ある程度離れたところにいればエネルギーをとられることもなく過ごすことが出来た。
そのため寝るとき意識的に能力を使えない僕は離れた部屋で寝ることにした。
このことは何一つ彼女には伝えなかった。
伝えたところで彼女の不安を煽るだけだと思ったから。
それに、僕には寝ている時間は無い。
まず、リンの枷を外す鍵を探さなくてはいけない。
あのままでは何をするにも不便だから。
そして、爆破装置を何とかしなければ・・・
そう思っていつの間にか足を運んだのは、僕が暴走した部屋。
やはり、此処に何かがあるのかもしれない。
幾百年使っていなかった施設だ。
埃や砂、蜘蛛の巣など現在では研究できるような場所ではなかった。
そもそも、此処の施設の電力は当時、何処から取っていたのだろうか。
電力は落ちていてメインコンピューターすら立ち上がらない。
何も手がかりが見つからずにもう2週間経ってしまった。
もう、残り1週間しかない。
当時母さんが使っていた椅子に前後逆に座り考える。
コンピューターの前に良くあるローラーの付いてる椅子は地面を少し蹴るだけで滑っていった。
此処で諦めるわけには行かない。
そう思った瞬間椅子が何かに引っかかり倒れた。
「っ・・・」
椅子と一緒に倒れたために頭を打った。
何があるんだ・・・よ?
椅子が引っかかったところの床が削れている。
つるつるだった床の一部分だけが意図的に彫られたような後があった。
コンクリートと違いヒカリが反射してしまう床は何が彫られているか読み取りづらい。
でも、そんなことも言ってられずに必死に読んだ。
読むといっても浮かび上がってくるのは矢印ばかり。
その矢印をたどっていくとまた次の矢印にたどり着いた。
そして最後の矢印がさしていた場所は母さんの椅子が合ったところ。
近づいてみると四角い何かが置いてあった。
引きずり出してみるとそれは大きなダンボール。
中を見ると其処に入っていたのは蓄音機。しかも手動式。
まさか、コレを使うのか・・・?
でも、そう決意することになった決め手は一緒に鍵が入っていたこと。
たぶんリンの枷の鍵だ。
とりあえず、出してみる。
が、幾百年経っていて果たしてコレは使えるのだろうか。
一か八かで動かしてみる。
母さんがよく使っていたから使い方はわかる。
ハンドルを回して音が出るのを祈った。
再生されたものから聞こえたのは母さんの声。
それは、誰かに話しかけるというよりも自分の作業報告みたいな内容だった。
最初はリンのプログラムを担当することになったという不安や哀しさ。
その後は、リンの記憶をわざと消さなかったこと。
爆破装置を作らなくてはいけなくなったこと。
また、その装置はメインコンピュータが止まると機能を失うということ。
「て、ことは・・・」
既に爆破装置は機能を失っている。それも、かなり前に。
それじゃぁ、僕はずっと踊らされていたのか。あの役に立たなくなったスイッチに。
もう音を出さない蓄音機を傍らに、素直に喜べない自分がいた。
暫くそうしていると、再び蓄音機から音がした。すごく小さな声が。
「レン・・・ごめんね」
母さん・・・
「・・・このままじゃリンは暴走する。だけど・・・」
パキッ・・・
軽い音と共に音は途切れ、回り続ける蓄音機の遠心力でレコードがバラバラに落ちる。
幾百年の劣化には耐えられずレコードは割れ、針は折れてしまった。
リンのバグを見つけるために一人残った母さん。
もう、二度と聞くことは無いと思っていた声。
母さんが何を言おうとしたのかはもうわからない。
でも、コレでリンは救われる・・・
鍵を掴み立ち上がろうと思ったが、やはり止めた。
「まだ、夜だし・・・リン、寝てるよな」
とりあえず、そういうことにした。
安心したら眠くなってきた。
此処最近、鍵を探すことに夢中で寝ていなかったから。
そのまま夢の世界に落ちていった。
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